【R-18】男性同士の催眠術/マインド・コントロールを描いた日本語小説です。成人向け内容です。

ハイスクールエンジェル 3



作:Poo

・第13話 水球部員を救出せよ 嬲り尽す


一人の男が水泳場の前で仁王立ちになる。
そして、口にかすかな笑みを浮べながら心の中でつぶやく。
そしてその男は、猛と瓜二つだった。

「この学校中、嬲ってやる!」

 

夏のじめついた夜を全力疾走する男がいた。猛だ。
「こんなことするヤツ、オレと瓜二つのヤツ、あいつしかいない!!」
猛の中にあの男に対する憎しみが浮かんできた。

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・・・・2年前。
入学し水球部に入部し、1年生でレギュラー入りを果たした猛はある一人の男と熾烈なポジション争いを繰り広げていた。
男の名前は沢村正。猛と一文字しか違わないその男は、猛に強烈なライバル心を抱いていたものの、結局熾烈なライバル争いからは
はじき出されてしまった。

正がライバル争いからはじき出されたもう一つの理由に、協調性が無い事があった。
結局このような事もあって正は水球部を退部し、学校すら辞めてしまう。

それから2年後、正と猛は運命的な再会を果たす。
「ハァ、グゥ、ハァ、アア・・・・」
目隠しをされ、ソファの上で後手で縛られ、歯を食いしばり必死に耐える猛。
何時ものように逸物に感じる暖かく、残忍な感触・・・。

皮肉な事に、猛は父の強烈な淫行のテクニックを覚えてしまった。
長い間何回もされてきたこの行為、彼の中に染み付いてしまった。

しかし、ある日突然彼のテクニックが変わった。何時もは目隠しをしたままなのに、突然目隠しを取った。
「よっ」いたずらっぽい、しかし、どこか残忍な表情をした男、そう、正だった。
猛は愕然となった、最大のライバルにされる最大の屈辱。
「正・・・・お前・・・一体・・・」混乱する猛に名は仕掛ける父親。

「イヤー実にいい光景だ。どうだいライバルにされるプレイは」怒りの表情で父親を睨みつける猛。
こんなことを父親にする事は初めてだった。ソレを知ってか知らずか、正は猛の上半身を摩り始める。
「きれいな身体だね。おれ、戦うよりお前の身体のほうがいいや。たっぷり味あわせてもらうぜ。」
正はそういうなり、猛の胸板、腹筋を口と手で愛撫しはじめた。
「いや、やめろ!!」ライバルからされる屈辱。

ガリッ! 正は猛の乳首を思い切りかんだ。
「ぐあっ!」突然の事に悲鳴をあげる猛。
「いいか、折角ライバルから降りてやったんだから、身体ぐらいは・・・」
猛は涙を堪えながら、力を抜いていく。オレにはこんな人生しかないのか・・・・

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あれから数ヶ月。
今のところ正からは何の連絡も無い。
しかし、こんな形でまた屈辱を受けるとは。それも後輩を巻き込んで・・・。

その足は学校に向かっている。

学校に足を踏み入れた瞬間、
「ふぁああっ!!」「いや、やめろおーー!!」雄達の絶叫が聞こえてきた。
「!?」猛は今までに聴いたことの無い男達の絶叫に耳を疑う。

猛がグラウンドに目をやった瞬間、猛は気を失いそうになった。

グラウンドには野球場があり、そこではこの時間野球部員達が練習を行っていた。
水球部と同じように野球部も優秀な成績を収め、内外から優秀な雄達を集めて最強集団を
形成していた。

そのグラウンドの数十メートルある金網に野球部員たちが縛り付けられているのだ。
「グゥアアー!!」「ナ、ナンデ・・・ア、オィ」
喘ぎとも悲鳴ともいえない、普段男が上げないような声を上げている。

ズボンとズラパンを太い腿まで下ろされ、上のユニフォームは破かれて、金網に縛られて「鎖」の役割を果たしていた。
全員がその格好で拘束され、美しい肉体がナイター用の水銀灯に照らされ、無残な姿をさらしている。
その中心では肉柱が「淫痛」にさらされ、白い液体を出しつづけ、数十メートルある芝生や土にまるでスプリンクラーで水をまくかのように、白い雨を降らしていた。
それは残酷にも、若い肉体から発せられるエネルギーを絞りとろうとする見えない悪魔が作り上げた"芸術"だった。

「ああ・・・」猛は愕然となる。そう、あの時、あの「黒い」空間でやられている時と同じ感覚を思い出していた。
「なんで、まさか、あいつ・・・・」イヤな予感が的中しようとしていた。

「アァーッ!!」無数の男達が悪魔の楽器にされている。叫び声は正に名器から発する"美しい音色"だった。
しかし、猛にとってその”悪夢”の声の方を向く。

陸上用の400mトラックの上で陸上部員達が全身をくねらせながら倒れている。
”つなぎ”のような身体に密着したボディスーツは汗でびっしょりとぬれ、その股間は、明らかに"勃って"いるのが、はっきりと分かる。その亀頭の部分は粘り気を持った染みを作り上げ、白い液体が染み出している。
全身を見えない力で嬲られ、情けない声を上げる雄達には、「アスリート」という言葉は当てはまらない。
快楽に落とされた雄だった。
1人ではない、沢山のアスリートが快楽という名の悪魔に身体をのっとられてしまった。
「や、やめろー!!」
情けない声を上げながら、陸上用のボディースーツを汗と淫液で濡らし、雄の匂いを全身から発しながら悶えているのは陸上部キャプテンで猛のクラスメートの雄介だった。
「あぁ、あああ、くあ、たす・・けて・・」言葉がしゃべれない。普段彼は猛と同じように、部員達の良きリーダーとして、その凛々しい瞳を輝かせながら練習をする姿、しかし、今の彼は快楽という名の苦しみに、立ち向かうこともできない。
走りこんできた太く長い足を含め、全身は明らかに痙攣していた。

「あぁ・・・」猛はどうすることもできない。自分にできることは無いのか・・・。また、走ろうとしたその瞬間、追い討ちをかけるかのように、ラグビー部員達の"淫景"が写る。

小さなラグパンを幾重もの筋肉が張り付いた太腿まで下ろされ、エビのように身体をくねらせている。ラガーシャツが捲くられ、何か触られているようにそそり立つ乳首。40数人の部員達がみな同じ格好にさせられ、同じ淫撃を受けていた。
1人は4つんばいになり、土のグラウンドにその白濁をたらしながら、勢いの無くなった馬のように、猛に近づいてくる。
「タケ・・・タ・・」ラグビー部のキャプテンで猛のクラスメートである守だった。
「ま、守!」猛は悲壮な声を上げながら、守に駆け寄り、その「重戦車」と呼ばれる肉体を抱える。
「タケ・・・おれ・・・なんで・・・」痙攣が止まらない。
「守・・・守・・」言葉が出ない。
守は猛の同じ中学から「スポーツ推薦」で入学した男だった。
その「肩書き」からは想像できない程に「淫殺」された姿に、猛はなぜか「申し訳ない」という気持ちで一杯だった。

「一体、何があったんだ!?」
「わ、わからない・・・グラウンドで練習していたら・・・急・・・に、ヤッてる時と同じ・・・状況・・・ぐぅああ!!」
「守!」
突然の発作に守は突き落とされた。エビゾリになった守の肉柱から何回目か分からない射出を始めた。
既に出し切ってしまったのか、出るものの玉のような塊が土の上に落ちていくだけだった。
「ひぃあああーーっ!」それにつられるかのように他のラグビー部員達も同様に裸同然のラグビー部員達が射出を繰り返す。

快楽におぼれるもの、屈辱に泣き叫ぶもの、必死に食いしばるもの、表情の違う男達に一つだけ同じ格好。
それは肥大した陰茎と、射出しつづける白濁だけ。

目の前で堕とされる雄達に猛は涙を流していた。自分の無力さを感じる瞬間だった。

「P・・・・」猛の携帯がなる。メールだ。
「うるせぇ!」猛はポケットからケータイを引っ張り出し、叩き壊そうとした。
しかし、一瞬目に入ったケータイの液晶画面を見たとき、はっとなった。
「!?」猛は恐る恐る液晶をみる。

その瞬間、猛は、凍りついた。

・第14話 水球部員を救出せよ2 ともだち


猛の後を追って、学校に戻ったエンジェルたちは校内の「淫景」に言葉を失う。
すでに辺りは真っ暗に包まれている。
「これは・・・」5人は快楽にもがく生徒たちに愕然となった。

広い構内を見渡す高台からは、照明塔に照らされた男たちの苦しむ姿がよく見える。
校内にいる生徒ほぼ全員が催眠にかけられていた。
「ぐあぁーっ!」「ヤメテクレー」あちらこちらから聞こえる雄たちの絶叫が闇を裂く。

「えらうことになった」「先生」
エンジェルたちの元締め、体育教師の森が丘に上がってきた。

「大丈夫なんですか?」昴は心配そうに森に聞く。
「催眠にかけられているのは生徒だけだ。」
「えっ!?」
「やっぱり・・・催眠だったんだ。」
「犯人は・・・。」

「翼」
「ハイ」
「水球部にいた奴で、鈴木正って、覚えているか?」
「!!」その名前を聞いた瞬間見る見るうちに顔面蒼白になる翼。
「どうしたんだ?」心配になったほかのエンジェルたちが言う。
「先生、正が、どうかしたんですか?」
「今回の犯人は自分だと、自ら電話かけてきた。」
「!!」翼は凍りついた。自分の中にあるイヤな思い出がよみがえってくる。
「翼・・・・」
「スズキタダシは・・・・」

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「なぁ、チャンスまだあるよ!」
「・・・」
大きなバックを抱え、猛と瓜二つの正が翼と一緒に学校の正門へ向かう。
その足は思いを断ち切るかのように早々としていた。
「たった一回のことで、そんなに思いつめんなよ!」
「・・・」
翼は正を必死に止めようとしていた。
翼、正、猛、同じ中学からこの学校に入学した、友達同士だった。
「猛だって、苦しいんだよ! 本当はおまえと・・・」
「それがイヤなんだよ!」
急に立ち止まり、大声で翼に怒鳴り返す。
「余計な気遣いがイヤなんだよ!」
「・・・友達だろ? 友達だから・・・」
「そんな奴、ほっとけよ!」
2人は驚き、怒鳴り声の主を見る。猛だ。練習途中で抜け出してきたのか、髪の毛がぬれ、ジャージから見え隠れする褐色の胸板には、水滴がついていた。
「たった1回レギュラー落とされただけで自信無くすような奴、いらねぇし、親友でもねぇよ!!」
「そんな言い方・・・。」翼は今まで見たことのない猛にショックを覚え、正はただ、猛を睨み返すだけだった。
それだけ言うと猛は振り向き、練習場に戻っていった。
正はそれに逆らうかのように校門を出て行く。
翼はどうしていいかわからず、そのままボーっとしていた。
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「そっか、そういうことが・・・」

翼の中に残る、いやな思い出。まさか、正が・・・。
「そいつが、これを?」
「あぁ、催眠をかけたのも自分だと言って来た。」
「猛の親父以外に催眠できるやつ、いるの?」
「けど、これはあの催眠以外ありえないだろ。」

P・・・

翼のケータイがなる。液晶を覗き込んだ瞬間、
「!!」
翼は凍りつく。それは通話ではなくメールだった。
「・・・? どうした、翼」凍りついた翼のケータイの液晶を覗き込んだ譲は驚いた。

"チャクシン スズキ タダシ"

「なあ、スズキタダシって」
「間違いない スズキタダシだ。」
「えっ!」驚きの声をあげるエンジェル。
森は無表情で翼を見つめる。

ためらいながらも正からのメールを聞く。
「アッ・・・」「これは・・・」言葉を失う5人。
翼のケータイの液晶に写った画像。

男の裸、しかし単なる裸ではない。
たくましい肉体を持つ、色黒の荒れのほとんどないすべすべした裸。
しかし、水球帽をかぶり、後ろ手を縛られている。
小さく、引き締まった尻は水着のラインに沿ってそこだけ守られているかのように白い肌を見せている。

海老のように身体をくねらせ、尻には棒が入れられ、人並み以上の砲身から、白いものが放出している。
その顔は、何もしゃべっていなくても無言で「写さないでくれ!」と懇願しているかのようだった。

「三木一郎だ・・・」悲痛な表情を浮かべる5人。
その写真とともに書かれていた一言。

「タケシモアリジゴクニサソッタヨ」

翼たちは言葉を失った。
「これは・・・復讐、なんだな?」
森は何も言わなくなった翼にたずねる。
「・・・ハイ。そう思います。」
イヤな沈黙が流れる。しかしもうそんなことは言ってられない。

「なぁ、ココどこだ?」
「猛の家・・・けど、アソコはもう取り壊されてもう無いはず、じゃ、ここは・・・」
「ここ、プールサイドだよなぁ」
「え、何でわかるの?」
「だって、タイル張りになってるし、所々ぬれているもん。」
「タイル・・・ちょっと待って!」
元気の無い翼が突然写真を見直した。
「ココ、まさか・・・」翼が急に鋭い瞳になる。このタイルの色・・・・もしかして・・・・。

中学3年、水泳部の練習で仲良く3人で練習していた猛、正、そして翼。3人とも練習を繰り返す、そのプールサイド、床のタイル、色・・・

まさか・・・・。

「ここ、俺や猛たちが卒業した中学のプールかもしれない。」
「え!? けどなんで中学のプールなんかで・・・・」

翼は原因となるものが思いつかず、混乱していた。
「あっ・・・・」
「どうした?」

翼は正のある言葉を思い出した。

あの日、夕日に包まれた中で猛に罵倒され、学校を去ろうとしたとき、

「おれ、もう一度みんなと泳ぎたい・・・・」

暫く歩いて、遠くで、もう一度振り返り、翼に、独り言を言ったかのようにつぶやいた言葉。

あれ、もしかして、けど・・・・。

「多分、中学のプールだと思います。」翼の瞳に炎のようなものが宿った。
「間違いないのか?」「はい」

「ふぅあああーーー」
心を轢き毟る悲鳴が響く。今までに聴いたことの無いアスリートの悲鳴。もう、時間が無い。

P・・・・・・

再び、翼の携帯がなる。
「!!」翼の表情が引きつった。
「どうしたんだ?」裕紀は凍りつく翼を慰めるように問い掛ける。

「正の奴、水球部の奴らを、誘拐したらしい。」
「ナニ!?」翼の振るえる手から携帯を奪った譲。

その液晶に写っていたものは、中学のプールサイドに1列に並ばされ、水球部員たちが水球帽をかぶり、赤い試合用の小さな水着を太ももまで下ろされ、自分の肉柱をまざまざとさらけ出し、後ろ手で縛られている写真が写っていた。
下を俯き、苦悶の表情をする部員達。

その液晶の隅には

「水球部員を預かった。淫激に苦しむ人たち全てを救いたいのなら、今夜10時、中学のプールへ来い。」

どうも、猛にも同じメールを送ったらしい・・・・。

怒りを通り越して、絶望感さえ漂うエンジェル達。
「俺、行ってくるよ。」ケータイを取り、自分のポケットにしまいこむみ、走ろうとする翼。

がしっ!
翼の細いがたくましい腕をつかむ譲。
「お前、戦いに行くんじゃないだろう?」

「譲・・・」全てを読まれていた。そう、翼は戦いに行くつもりなんかない。水球部員も、猛も、目の前で苦しむアスリートも、そして、正も、全員を救いたい。ただそれだけだった。

「頼むよ。そのための仲間だろ?。」裕紀が、まるで翼を慰めるように声をかける。
翼は自分の周りにいる仲間達を改めて見つめた。
涙をため、必死にそれをこらえながら、「ありがとう・・・」その一言が精一杯だった。

「よし、みんな、行こう! 例の作戦で。」
「へ? 例の作戦?」
「・・・ああ、あれか。」

既に、5人とも裏山のアジトへ向け、走っていた。闘うためじゃない。救うための武器を取りに。

感慨にふける森。

「よし、俺も行くか・・・。」

森は、目の前で苦しむオスたちを救うため丘を降り始めた。

・第15話 「水球部員を救出せよ 淫激ふたたび」


翼に送られたメールと同じメールを受け取った猛は、翼、正、そして自分の思い出の地、中学校の正門の前に着いた。
「はぁ、はぁ。」
走ってきた激しい息づきの猛。
きりっとした眉、瞳が見る見るうちに鬼の形相に変わる。

あの部員達の無残な姿と"水球部員達と楽しいパーティのお知らせ"というメールの題名。
猛のキレさせるのに十分な要素が整った。
握り締める拳。その腕がぶるぶると震えている。

猛は学校裏手のプールに向かった。
じめじめした暑い夜。猛の肉体を汗が滴り、制服のシャツの至る所に汗の染みを作り、黒い肌を浮き上がらせる。
しかし、今の猛にとってはそんな不快な思いはない。

4階建ての鉄筋校舎の横、夏草が生い茂り、プールを囲う高さ4mくらいの柵にツタの葉がうっそうと絡みついてる。
壊れかけた木の扉を開けるとプールになっている。
怒りに狂っていた猛だったが、さすがにドアの前に来て落ち着こうとしたのか立ち止まり、ドアノブをまわす。

ギィーッ・・・
ゆっくりとその戸を開けて見る。
しかし、照明が無いため暗闇の中で何が起きているのか想像すらできない。

「一体何が・・・」猛が思ったその瞬間!

「さぁ、ショーの始まりだ!」
その叫び声と共に急に周りが明るくなった。
一瞬の光の急襲に猛は目がくらんだが、すぐに気を取り直して周りを見た瞬間、猛は愕然となった。

「ぐぅああああーーー!!」「い、いやめろーー!」
雄達の絶叫が降り注ぐ。4mある金網の上のほうに水球部員達が大の字で縛られていた。
水球帽をかぶり、分厚い胸板の先端にある乳首は硬く大きくなり、上を向いている。
腹筋は激しい息遣いのたびに激しく動く。そして、赤い試合用の小さな水着は股間に穴をあけられ、無残にも部員達の肉柱が引きずり出され、天に向かって大きくそそり立っている。
そして案の定、引きずり出された肉柱からは白い液体が否応なしに飛び出し、下のプールの水の中に落ちていく。

「ああ・・・お前ら・・・・」
猛の頬を涙が伝い、表情は怒りに震える。

「みんな」「キ・・・キャプテン」
快楽に悶える中、猛の存在に気が付いた副主将の勇は、少し救われた表情で猛を見下ろす。
しかし、身体は淫の力に操られ、白い淫液を垂らし続ける。
「一体どうしたんだ!」
「わ・・わからないです・・・練習中急に眠くなって、気が付いたら・・・ぐぅあああっ!!」
「勇!」
さっき、学校で見た光景と同じ淫激を受けるチームメイトたち。
金網一面に貼られた雄達は"筋肉の標本"だった。

「すげぇ、いい光景ですね」
背後から聞き覚えのある声が響く。しかし、その声は猛が憎む方ではなく、親しみを感じる方だった。
いやな予感を覚えながら後ろを振り返る猛。

そこに居たのは一郎だった。
少年と青年、両方の顔を持ち合わせた一郎。しかし、いつもの快活な表情ではなく、「淫」の表情だった。
「い、一郎!?」それはチームメイトたちを見続けていた猛には明らかにわかる、違う一郎だった。

「こうやって、みんなのナニを見るの、初めてです。」それはまるで店先でおもちゃを欲しがる子供のようだった。
「先輩!! あぅ・・一郎・・・あっあ・・・さっきからそんな調子で・・・・ぐぅう! おかしいんです。」
必死に一郎の異変を説明する後輩達。
そう、確かにおかしかった。一郎の瞳はなぜかオレンジ色に光り、空ろだった。


猛は一郎の手元を見る。リモコンだった。
猛の目線が自分の手元に向けられているのに気が付いた一郎は、不気味な笑みを浮べながら、そのリモコンを猛に向けかざしながら、スイッチを入れる。
「ふくがああああ!!」「いぃ、ああ、はぁああ!」さっきより更に部員達の絶叫が強くなり、身体がより一層弓なりになる。
そして、スイッチを切ると、部員達はまるで電池を抜いた人形のおもちゃのように、ぐったりとなり、激しく息をする。

まさか・・・猛はそのリモコンが水球部員達を淫虐のそこに落とすスイッチであることに気が付いた。
ふと、部員達の顔を見る。何もかも、精魂全てを吐き出したかのように、ぐったりとしている。一番年下の1年生の須藤健太は真っ青になっていた。

「一郎、頼む。奴らを、これ以上苦しめないでくれ。」優しく、諭すように一郎を説得する猛。
「だって、楽しいじゃないですか。花火みたい。白いアレが出てくるところとか・・・」
「頼む! 何でも言うこと聞くから!」必死だった。今だけ、これを越えたら、何とか、一郎だって元に戻るかもしれないし。
特に今は部員達を救わなければならない。
「じゃ、条件があります。」一郎の笑みは淫を強くする。
「・・・なんだ!」猛は必死の形相で一郎を見つめる。

「僕のチ○ポ舐めながら、自分のチ○ポ扱いてください。」

猛は全身から生気が飛んでいくような気がした。

・第16話 「水球部員を救出せよ 屈辱の中の愛」


「お前・・・いま、何って言ったんだよ」それしか言葉が浮かばない。
「だ・か・ら、僕のチ○ポ舐めながら、自分のチ○ポ扱いてくださいって、言ったんですよ。」ゆっくりと、からかうように猛に言うその表情はなんの躊躇もない。
「・・・・・」「・・・エ!?」拘束されている他のチームメイトも淫激が落ち着き、その言葉を聞いていた。
明らかに、いつもの一郎からは絶対に聞かない言葉に愕然となった。

「そんな・・・できない・・・」真っ青になりながら、下を俯く猛。いつもの凛とした表情は無い。一郎の思いがけない言葉にショックを隠せない。
「できないことは無いでしょう。正さんから聞きましたよ。」
猛はハッとなる。「コイツやっぱり正に操られているんだ・・・。」心の中で絶望的な考えが当たってしまったことに更なるショックを受ける。握りこぶしを更に強く握り締め、鋭い大きな瞳をギュッと瞑りつづける。今の一郎は一郎ではない。下手に攻撃することはできない。
部員を救うためには・・・。

「それとも、いいんですか」そういいながら、悪魔のような笑顔でリモコンに手をかけようとする。
「ま、待ってくれ!」猛は覚悟を決めた。心の底から湧き出る屈辱を必死に押さえつけながら、彼はその場に跪いた(ひざまづいた)。
「ありがとうございます。チームメイトを救うキャプテン、そうでなくちゃ」
一郎は猛のそばに近づく。普通なら恐怖を感じるはずだが、猛はまるで家族、友人を受け入れるような、懇願するかのような瞳で一郎を見つける。縛られている部員達を横目で見る。
真っ青な顔で俯いていた須藤健太は気が付いたものの、猛を心配そうな表情で見ている。
「よかった・・・何とかなる・・・・」

猛の前に歩み寄った一郎。猛の目の前には赤い競パンに隠れた一郎自身の果実が存在する。
「先輩!! やめてください!! 一郎、目ェ覚ませよ!!」拘束されている須藤健太が叫ぶ。
「うるせぇな!」一郎はまたスイッチを入れる。

「ああああーっ!!」「ぐぅあっ、ひぃ・・・」また、叫び声が響き、白いビームが飛び交う。
「い、やめろ! わかった! 言う通りにするから!」
猛は一郎に頼み込む。
「ふふふ、わかりました。」そういうとまたスイッチを切る。激しく呼吸を繰り返す部員達。
無言のまま、一郎の競パンに手をかける猛。
「あ、ちょっと待ってください!制服じゃつまらないんでこれに着替えてください。」一郎の手にある赤いもの。
それは、水球部の神聖な赤い水着。メンバーとしての誇りを表すかのような真紅の水着。
そして、水球用の帽子・・・
猛は瞳を閉じる。神聖なる水着を、汚してしまうのか・・・・。

「・・・・・」猛は無言でチームメイト達の表情を見た。その顔は救って欲しい反面、猛をそんな目に合わせたくないという、相反する思いが交錯していた。
「だめだ、これ以上みんなに迷惑かけられない。そして、一郎にも。これは俺と正の問題なんだ。」意を決した。猛は汗まみれになった白いシャツを脱ぐ。重量感のある肉の鎧が現れる。その鎧で数々の攻撃を守りつづけていた。しかし、今は一郎の欲望を満たすための肉の塊に過ぎない。
制服のズボンに手をかけると、パンツごと摺り下ろし、豊かな赤黒色の果実を震わせていたが、真紅の競パンを穿き、すぐに果実は包まれてしまった。そして、少し震えた手で水球帽をかぶる。

全ての意を決した猛は一郎の前に跪く。
既に目の前で一郎の肉柱は競パンをはみ出し、猛の物と負けず劣らずのモノがヘソを軽々と超え、猛の愛撫を待っていた。
「テクニック、見させてもらいますよ!」
「・・・・」もう、どうしようもない。猛はギュッと目を瞑り、一郎の競パンの端に手を掛けた。

一気に顔をニヤつかせる一郎。すでに勃起の状態になっていた一郎の腰からはなかなか競パンがおろせない。
猛はそれでも力を入れ、ゆっくりとずりおろす。縮れた陰毛と、競パンに守られ日焼けしていないきれいな白い肌が少しずつ出始めた。
桃の付け根まで下ろした瞬間、「ビュッ!」
「あっ!」一瞬猛が顔をそむける。ビックリ箱の人形のようにブルンと飛び出した一郎の肉柱から透明な淫汁が飛び出し、猛の頬を直撃した。
頬から一郎の淫汁を垂らしながら、目をギュッと閉じる猛。「頼む・・・・目を覚ましてくれ・・・覚ましてくれ!」心の中で何度も繰り返す猛。

部員達は心を毟られるような思いで見ていた、かのように思えた。
しかし、部員達は猛の身体、口元をギラギラと欲望剥き出しの瞳で見つめ始めた。
「はぁ・・・はぁ・・・」副主将の勇はその幼い顔から想像もつかない巨根を腹に打ち付けるくらい反り返らせ、粘り気を持つ涙を垂らしていた。
それが一人ではない。他の部員達も日焼けした肉の鎧を震わせ、分厚い胸板の先端を硬く、大きくさせ、競パンを破いた穴から晒している肉棒を反り返らせ、腹筋を打っていた。

その表情はエサを前に"待て"を食らっている犬のようだった。

そんな部員達の表情に気づくこともできず、目の前に現れた、重量感のある一郎の果実をゆっくりと口に含んだ。
数年ぶりに青臭い匂いが口に広がる。しかし、すでに諦めた猛は開き直っていた。
猛は上目遣いに一郎の顔を見ながら思う。「一郎、俺はどうでもいい! だけど、頼むから目を覚ましてくれ。」

猛は気づいていない。獲物を狙う猛獣は一郎以外に"大勢"いることを・・・・

・第17話 「水球部員を救出せよ2 懺悔」


一郎の肉柱を愛撫し続ける猛。

普通ココまでされたら心の中は相当ダメージを受けるはずだが、猛は必死に願った。
「もうどうでもいい! みんなが・・・元に戻ってさえくれたら・・・・」

その猛の思いを知ってか知らずか、相変らず怪しい光を瞳から放ちながらニヤける一郎。金網に縛り付けられたチームメイトに目をやる。

先ほどまで悲しみの表情で見つめていた男達の表情は一変していた。
いつのまにか獲物を見つめる猛獣の表情になっていた。
競パンに穴を空けられ引きずり出されてる180度反り返った肉柱から粘々しい液体がビクビク動く血管を伝いダラダラと流れつづけ、
分厚い胸板の先端はこれまでになく硬く、大きく変化していた。息も荒く、ひとつ息をするたびに全身を激しく揺らず。

男達にとって今の猛は"獲物"だった。

 

「わかりました キャプテン」
一郎はこれまでにないやさしい口調で猛の肩に手をかける。
「一郎・・・・」猛の顔に笑みが戻り始めた。治ったのか?一郎の表情は猛にそう思わせた。
「ちょっと待ってください。今、みんなの拘束取りますから。」
そういうと、一郎は手元のスイッチをONにした。

それは猛を更なる淫虐と言われない懺悔の世界へ引きずり込むためのものだった。

拘束の解かれた瞬間、肉の鎧を持った男達は己の獣欲を果たすため、まさに戦士になった。

猛は何も知らず、涙を浮かべながら、自分に向かってくる水球帽の男達を暖かい瞳で見つめていた。
プールサイドを曲がり、数十メートル先に見えた男達を見た瞬間、猛の表情が凍った。
獣の瞳をし、肉棒を直立させ自分に突進してくる男。
逃げようとする猛。それを覆う黒い鎧をまとった男達。まるで大津波に包れ、さらわれる人間だった。
それを笑う、一郎と・・・・・・正。

 

学校では、見えない獣に嬲られた男達の叫びが飛び交いつづけていた。
「あああ、い、いてぇーーー!!」「もう・・・・・で・・・・出ねぇ・・・・」疼きが響くたびに痙攣する肉柱。
いつのまにか増えてきた被害者。百人は越えている。合成繊維と雄液が混ざり合った匂いのする空間を男達は走りつづける。
エンジェル達だった。
ヘッドホンを強制的に苦しんでいる部員達にかぶせると、部員達はいずれも、身体の痙攣を終え、その場に笑みを浮かべながら、横たわった。
「しっかりしろ。」大声で励ましながら、譲はヘッドホンをかぶせては外し、かぶせては外すという行為を繰り返す。そのたびに笑みを浮かべながら痙攣を、その場に眠りつく。あるものは目的地も無いまま歩く

その谷間を縫って、エンジェル達はヘッドホンを持ち、走りつづける。
「譲!」昴、健は何十人と言う人間にかけ、ボロボロになったヘッドホンを持ちながら譲に駆け寄ってくる。
「そっちは?」
「やっと半分行った!」2人は息も絶え絶え、あたりを見回しながら次の"患者"を見回していた。

ピンポンパンポーン

淫地獄の様な光景に不釣合いな音が構内に鳴り響く。
そして次の瞬間、「ドン!!」ものすごい音がスピーカーを聞いて鳴り響く。そう、水球部を地獄から救ったあの音だった。
「あっ!! はぁ・・・」水不足でとまった噴水の様に、若さに任せたまま白い飛翔がとまった。
譲たちは互い目を見合わせ、笑顔で喜び合った。

裕紀が近づいてくる。
「先生か?」譲は裕紀に聞く。「ああ、放送室から。」その表情がおかしかった。

「・・・・裕紀?」
「・・・・・」正面を向きながらその整った顔に怒りを表す裕紀。今まで冷静な表情しか見たことの無い他のエンジェル達はその表情に驚く。

「みんな・・・鈴木正が・・・・なんでこんな事したか・・・わかったぞ。」「え!?」3人は裕紀の言葉に驚く。しかし、それだけ言うとまた、黙り込んでしまい怒りの表情のまま、そばにあった構内放送用のスピーカーに目を向ける。

「みんな、聞いてくれ。」
突然スピーカーから男の声がした。「この声は・・」エンジェル達は聞き覚えのあるこの声に耳を傾けた。森だった。

「今回、君たちがなんでこんな辛い目に合わされたのか。それには理由がある。」苦しみにもがいていた男達は余裕が出てきたのかスピーカーのほうを睨みつける。

「元野球部員、新野明。元陸上部員、金子明。元ラグビー部員、会田秀雄。そして、元水球部員、鈴木正」
この名前を聞いた瞬間、野球部、陸上部、ラグビー部の男達は乱れた姿のまま、怒りを爆発させた。「くそう!! ヤツらなのか!」「あいつら・・・」
そして、エンジェル達は鈴木正のほかに上がった名前を聞き、驚いていた。「共犯って・・・事か」健が裕紀に問う。しかし、裕紀は怒りの表情のまま、首を横に振る。

「今回の犯人はこのうちの一人だ。しかし、それにはわけがある。」
「冗談じゃねえ! 部活を黙ってやめたり、チームワークを乱そうとしたり、そんなことしてた最低の奴じゃねぇか!」ある部員から罵声が飛ぶ。
その声に同調するかのように罵声が飛ぶ。

「黙って話を聞け!」スピーカーからの声に男達は一気に威圧された。
「確かに色々なことがあってやめていった。しかし、それはやめたくてやめた訳じゃない。」
森は一呼吸置くと、恐ろしいことをしゃべり始めた。

「彼らは・・・・君たちを、そして部を守るために、身体を売っていたんだ。」

その衝撃的な内容に、男達は愕然となり、ただ一人全容を聞かされた裕紀は下を向き、涙を抑えきれなかった。

「あれ、翼は?」譲はあたりを見回す。

・第18話「水球部員を救出せよ 傷」


「ああっ、すげぇ・・・・」
水球部副主将の勇は、催眠と快楽に身を任せながら、その空間に酔っている。その快楽をぶつけている相手が自分の大切な主将であることも知らずに。
「オラ、ちゃんとしゃぶってやれ、手コキ手ぇ抜くんじゃねぇよ!!」
1年生の須藤健太は相手が自分の憧れの人であることもわからずに、相手の頭を押さえつけ、そしてその相手の手で己の一物を扱かしている。

すでに水球部員のほとんどは、猛に向け催眠により歪んだ性をぶつけつづけた。
そして終わっても性欲を抑えきれないのか、笑いながら猛の体をなぶりつづけている。
猛の身体はプールサイドに、太く長い両手両足を広げ、腕を頭の上に上げられ、足を肩幅以上に広げられている。
ある部員は、両手を、もう一人は両足を、押さえつけている。
ある部員は、腕を頭上に上げられ無防備にさらされた脇の下の、僅かなにおいを楽しみながら歯で腋毛を抜いている。
ある部員は、猛の分厚い胸板を揉みしだき、先端の乳首に己の一物を擦りつけ2度目の射精に酔う。
ある部員は、猛の割れた腹筋に己の一物をこすり付けながら腹筋の凹凸で快楽を楽しんでいる。
ある部員は、猛の人並みはずれた一物を競パンを引きずり出し、猛自身の先走りをローションにしながら、その変化を楽しむ。

彼らにとって今の猛は主将ではない。己の欲望をぶつけ、快楽を得るための「お人形」だった。

そして、猛は「廃人」同様に、心も身体もボロボロになっていた。「・・・・」もう、何も考えることもできない。
口の中に辛苦い味が次から次へと注入される。
そして、体を襲う淫痛。さっき噴出したばかりなのにまたあの感覚が襲う。
もうこれ以上、出ない・・・。猛の身体からは、抵抗という二文字は消え去っていた。

「おい、全員やめろ。」
・・・!? 聞き覚えのある声に猛は最後の力を振り絞り、首を横に向ける。
「! やっと・・・・」この言葉しか思いつかない。

猛と瓜二つの正がそこにいた。

「パン」正が手をたたくと、部員たちの瞳が正気に戻り始め、一郎は気絶した。
部員の瞳から怪しさが消え、元の純粋な輝きが戻り始めた。
「!? 俺たち・・・・あ、キャプテン!!」「どうしたんスか!?」さっきまでの悪魔の表情は消え去り、いつもの純粋な部員たちに戻った。
ボロボロに横たわる精子まみれの猛たちを部員たちが囲み、救い上げる。彼らは自分たちがやったとは思っていない。
「みんな・・・正気に戻ったな・・・」

「おまえたちがやったんだよ」正の冷酷な声が飛ぶ。
「何! あっ・・・」部員たちは愕然となった。いつのまにか白いものが自分たちからダラダラと流れているからだった。
部員たちは、なんとなく事の次第をつかみ、自分たちで唇をかみ締めた。

「てめぇ・・・俺たちに迷惑掛けて、さらに何かやるつもりか!?」勇は猛に負けず劣らずの鋭い瞳で正を睨む。それはほかの部員たちも同じだった。自分たちの知らないところで自分の肉体を勝手に操られた男たちは今にも飛び掛りそうな表情で正を睨みつける。
「フフフッ、結構喜んでたジャン。女とやるときより・・・」
「ふざけるな!!」「ぶっ飛ばす!」
「だまれ!! 俺がどんな思いで・・・この2年間を・・・・」正の声が怒りに震えていた。

「そこから先は俺が話す。」
男たちは声をしたほうを向く。金網でできた戸を開けて入ってきたのは、翼だった。
「翼・・・」正と猛は、ほぼ同時につぶやいた。

翼は猛の精子まみれの姿を見て、がっくりしながら、正のほうを向いた。
「正・・・水球部をやめるとき、何があったか・・・・ついさっき知った。ゴメン・・・・俺、正を助けることができなかった・・・・。」
正は何も言わず、ただ翼を見つめている。一方猛達は何が起きようとしているのか理解できなかった。

「3年前、正と猛が高校に入学するとき・・・」翼は静かに、ゆっくりと話し始めた。

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「なぁ、正、水球やらねぇか?」
「アン?」
3年前の3月、中学を卒業したばかりの正、猛は春の日差しの下でのんびりとしていた。
「おまえ水泳やるんじゃねぇの?」正は不思議に思いながら猛に問う。
「実はさぁ、高校から水泳部に入らねぇかって言われたんだ。正直言うとオレ自分の泳ぎに限界感じてるんだ。おまえ高校でやる部活決めてねぇんだろ?たったらいっしょに水球やろーぜ!」いつもの人懐っこい笑顔で正にせがむ。
「ったく、わかったよ」特に深い意味もない。暇つぶしにでもなるかな程度のつもりで、正は水球部入りを決めた。

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「今考えてみると何であの時、猛が俺を誘ったのか・・・俺は・・・」
正は猛を睨み付ける。正を睨み続ける後輩に支えられながら猛は正を見つめる。
「正、おまえ勘違いしてる。」
"エッ!?"という表情をする2人を見ながら喋る翼。

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入学して2年目の秋。
シーズンを終え、正と猛の2人は名門水球部のレギュラーメンバーとなっていた。
水球で鍛えていた2人の体はこの2年でさらに成長し、美しい肉の鎧を身につけていた。

今や部の中心はこの2人になり、3年の先輩たちはどちらをキャプテンにするか迷っていた。

さらに、そんな2人に"淫"の目を向ける大人たちのいることなど、知る由もない。

「キャプテンは猛」「異議ナシ!」

部室に響く明るい声。
その中心で次期キャプテンになった猛が照れていた。
その横で自分のように喜ぶ正。

そして、その外で無気味に笑うコーチ、飯沼。

部室内でのミーティングが終わり、男たちが次々と出て行く。
「鈴木!」
「ハイ!」コーチの大きな声に振りかえった正。自分を淫の底に沈めようとしているとも知らずに。

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