最終更新:ID:r5VYpW07Vw 2010年05月15日(土) 00:27:06履歴
- 276 はんぶん恋心[sage] 2010/04/09(金) 09:46:13 ID:4rOj5Z8P
- 「ちょっ、いきなり何すんのっ」
なんかいきなり体をぐいぐい押されたかと思ったら、気付けばあたしは仰向けにベッドに押し付けられていて。
「……別にいきなりじゃない」
って、意味わかんないし!
ベッドに沿って膝は曲がって、足の裏はきっちり床の上。
つまりはベッドの向きには直角に寝そべらされているんだけど。
「ちょっ、龍!」
ぎしりと音を立てながら、龍があたしの体を挟むように膝をつく。
覆いかぶさられるような体制に、どうしたってあたしはどぎまぎしてしまう。
龍は無言でタンクトップの裾からごつい手を差し込んできて、あたしの腹を撫でる。
ここまでされたら、あたしだって龍の思惑くらいわかるんだけど。
「な、なんか順番とか、そういうのないの!」
「…………千鶴」
どき。
いや、だから、その。
急にまっすぐ見つめられたりしたら、ドキる。ってかキョドる。
「な、なに!」
「すきだよ」
…………顔、熱い。
じゃ、なくて!
「いきなりそれは狡いってば!」
「千鶴が順番って言ったんだろ」
その間にも、龍の手は進んで、下着越しにあたしの胸に触れる。
「はぁ!?ちょっ、待って!」
「…………なんで」
なんでって、なんでって!
- 277 はんぶん恋心[sage] 2010/04/09(金) 09:46:54 ID:4rOj5Z8P
「こ!心の準備!それにすきだからいいってんじゃなくて!えっとほら!いきなりそんなとこ触るんじゃなくて……」
「キスでもするか?」
だからっ、なんでそういうことをさらっと言うかな!
「だからそーじゃなくてっ」
「焦らすなよ」
「へっ」
焦らすって、あたしいつ焦らした?
いや焦らしてない。っつか、そんな雰囲気じゃなかったはず……!
「あんま焦らすと、加減できなくなる」
「ちょっ、龍……っ」
「なるべく優しくするから」
「…………っ」
そんな、熱っぽい目であたしを見ないで。
こころのじゅんび、とか、どうでもよくなっちゃうよ。
「……千鶴、すきだよ」
熱い。
熱い、口づけひとつ。
ああ、だめ。
もう何も考えらんない。
龍の手に、声に、息に、翻弄される。
すきだよ、あたしも。いっぱいすき。
待って、なんて、もう言えない空気に飲まれて、そこからはもう、されるがまま。
途中、わけわかんなくなったり、すごい痛かったりしたんだけど、終わってみて、龍の腕の中で一息ついてみると、なんか、意外に『こんなもんか』って感じで。
「痛かったか?」
「うん」
「……悪い」
「うん」
「もうしたくない?」
「……ううん」
だって、やっぱりちょっと幸せだったんだもん。
おわり
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