とりあえず現段階でのまとめ

634 白雪姫もどきエロ[sage] 2009/04/06(月) 23:54:41 ID:2AqU3zww
白雪姫もどきの後の龍ちづ 

ーーーー 

太陽はもうとっくに昇りきった。 
素肌のうえをジリジリと焦げつかせ、日射はわすれられないように色に残していく。 

「…あっちい…」 
(どこ行ったんだ…) 

龍は半そでを肩まで捲り上げると、ついでにそのシャツで汗を拭った。 

あの一騒動以来、城はすっかり元通りになった。 
ただ違うのはその光景に、“おいかけっこ”が加わったこと。 
もちろんそれは、千鶴と龍との、だ。 

二人の“おいかけっこ”は今日もつづく。 
城内からだだっ広い森まで、バラ園に果樹園、龍は散々と探して歩いていた。 

森の奥深くを再度よく探す。 
わきの茂みから裸足の指が覗くのを龍は見逃さなかった。 

「千鶴!」 
「あ、見つかった」 

茂みを掻き分けると、千鶴が気持ちよさそうに寝っころがっていた。 
周りの木々は高く枝を伸ばし、細切れの陽光を降らす。 
相変わらず無邪気にそう言い放った千鶴の格好を見て、龍は軽くため息をついた。 

「見事にどろどろだな」 

まっさらだった筈のTシャツは薄汚れ、ツギハギだらけでも毎日手洗いにプレスもされているミニのスカートは皺くちゃだった。 
剥き出しの手足は土まみれで、擦ったのか頬まで乾いた泥でパリパリだ。 

風呂をすすめると、あーとか、うーとか適当な相槌で起き上がろうともしない千鶴に龍は業を煮やして行動を起こす。 
両腕に力をこめて抱き上げると、千鶴はいとも簡単に体の両端から宙に浮いた。 

(かるい) 

「ぅえ!え、ちょ、じっ自分で歩けるって!!龍!聞いてんのかッ」 
「……そんな耳元で叫ばれたら、嫌でも聞こえる」 

じたばたする千鶴を歯牙にも掛けず、龍はずんずん大股で歩いた。 
635 白雪姫もどきエロ[sage] 2009/04/07(火) 00:00:24 ID:STfKUmMs



「ほんっと、体力あるよな…」

疲れたのか、抵抗をやめた千鶴はぐったりと龍の懐で呟いた。
龍は澄ました顔で返す。

「千鶴ほどじゃない」

(この野球馬鹿野郎め。いつかぎゃふんと言わせてやる)

心のうちで毒突きながらも、千鶴は目の前の胸板にこてんと頭をあずけた。

「……、っ…」

龍の背筋が伸びて、また一筋の汗がこめかみを滑り落ちる。

(日向の…においがする)

龍の顔の影がちょうど千鶴のそれを守るように隠した。
懐の心地よさに気を取られて、ちらりと送られた視線に千鶴は気づかなかった。

そのうち城内に差し掛かると、一瞬、誰かのてのひらに捕まったように闇が覆いつくした。
気温もすこし下がって、立ち籠める香りまで変わる。
浴場が近づくにつれて、あの湯の沸くなんともいえない優しい香りがしてきた。

浴場は鳥かごをモチーフに造られていた。
壁には様々な形を組み合わせたモザイク柄や、鳥の羽根や花と蔓の紋様が彫られていた。
中央の丸い浴槽からもうもうと湯気が這い出る。

「じっとしてろ」

龍は千鶴を注意深くおろし、浴槽の淵に座らせた。
スカート越しに暖かく湿った感触がじんわりと広がっていく。
円蓋に並ぶひかえめな窓から西日が差し込む。
何本もある光柱の一つは足元を照らし、その光の中で湯気はきらきらと反射を繰り返して、千鶴は目を細めた。
上から吹く風のおかげで思ったよりは涼しかった。

石鹸を泡立てた龍の手が千鶴の足を指から洗い始める。

「ぷっは!くすぐって」
「おい。そんなに動くとはまるぞ」
「だって、…!つッ」

一度裂けたあとの再生された薄い生皮膚は、とても柔らかく、突っ張るだけでまた血が滲みそうな危うさがあった。
龍の指がそういった痕を思いのほか強く掠めたのだ。
大小、千鶴の肢体に無数に残る傷はまだ痛々しい。
特に足は膝下を中心に数が多かった。
汲んだ湯でそうっと洗い流しながら、心配そうに龍は訊ねる。
636 白雪姫もどきエロ[sage] 2009/04/07(火) 00:01:58 ID:STfKUmMs
「痛むか?わるい」
「びっくりしただけだから。あんまし……見るなよ。傷だらけで見てて気分のいいモンじゃないだろ」

苦しみが今でも胸を焼くように、夕立の空のように、その一言で龍の顔が歪んだ。

千鶴は知っていた。
龍は、自分を責めて悔いていた。
今は元通りになったものの、事の発端は自分の言葉の所為だと思っている。
負い目を感じてか、人間になり千鶴に仕えるようになってから龍は必要以上に世話をやき、傍について、過保護だった。
こういった顔を見せることも度々あった。

龍は傷を見つめ続けている。

「気にしなくていいから、本当。…それに!どーせ見るなら、やのちんの胸でも見てるほうが目の保養になんじゃね?」
「……」

明るく言ってみた冗談も虚しく消えた。

(うそでもいいから笑えってーの)

静謐な時間のなかに気まずさが濁る。
不意に、伏せていた龍が顔を上げて視線がぶつかった。
真剣でまっすぐな瞳に射られて千鶴は動けない。
ゆっくり、龍は口を開いた。

「王妃さまは、うつくしい。でも白雪姫は、……千鶴は、千ばいもうつくしい」

かあっと顔も脳も熱い。
千鶴は浴場の淵を両手で握り締めて、思ったよりもずっと大きくなった声で言った。

「からかうのもいい加減に――」
「俺は嘘はつかない。からかってるわけでも、同情してるわけでもない」

天窓の上を一羽の鳥が横切って、二人の間にも薄闇が落ちてきた。

「千鶴が好きだ……この傷だって、俺の“印”だと思えば、嬉しい」

柔い痕を龍は舐めた。
口づけを何度も降らす。

「ぁ…!!なッ!なっにして……」

逃げるために引こうとするのを、細い足首を掴んで龍は許さなかった。
一つ一つの痕を愛しそうに舌と唇が辿る。
その行為とは裏腹に龍の眉間には苦悶が見て取れた。

(辛いんなら、そんなことしてくれなくていい)
「…そんな、ッ…顔、して、平気なフリなんかすんな!!」
637 白雪姫もどきエロ[sage] 2009/04/07(火) 00:03:46 ID:2AqU3zww
龍の肩口を怒りに任せて引き寄せて、千鶴は押し付けるだけのキスをした。
強張りが全身にまわって、緩んでいくのが掴んだ肩と唇から伝わる。

体を離すとお互いから吐息が漏れた。

「千鶴」

呼ばれて反応をかえす間もなく、今度は龍からキスをされる。
膝をついた龍にされるキスは、下から食らいつくように貪って、唾液も声も酸素も奪われるものだった。
押さえられた後頭部が痛いぐらいで。

「……ん゛…、…っ…………ッぅ……ぁ…」

無遠慮に侵す舌に弄ばれて、息もうまく継げない。
絡まる舌が熱い。

(あつい、あつい、あつい、あつい)

形のない筈の焦熱が廻って、脳の裏まで這いまわる。
急に時間の流れがのろくなった気がした。

でも終わりは来て、龍が下から見上げるように視線を向けて、不安げな表情をつくった。
離れた唇を寂しがってか、龍は千鶴の手に手を重ねる。

「嫌か?」

もう、その言われてる意味がわからないほど、お姫様でもいられないのは知っている。
でも自分の口から特別な人に特別な言葉を伝える日がくるなんて夢みたいなことだ。
夢だと思った。

千鶴は決まりが悪そうにはにかんでみせた。
握られた方とは反対の手を伸ばして、龍の頭を抱き寄せる。

「嫌な奴に、こんなこと許すかよ」

押しつぶされた鼻に痛みと千鶴の匂いを感じた。
気丈に言い放ちながらも、目の前の頬と耳が赤いのに龍は気づく。

「…じゃあ、遠慮なく」

こぼれる笑みを隠そうともせず、くっと喉を鳴らした龍の掌があやすように背を撫でていった。

(なんだそれ……笑うなっ、エロ馬鹿)

そのまま肩から、少しかさつく唇で確かめながら触れられていった。
胸までくると口が大きく食むように開いて、乳房を服の上から甘噛みされる。
中心の突起に歯がかすめたとき、つい声が漏れた。

「ぁあッ……!」
638 白雪姫もどきエロ[sage] 2009/04/07(火) 00:05:48 ID:2AqU3zww
勢いよく口元を手の甲でかばい、また耳まであかくした千鶴に気をよくした龍はそこで遊びはじめた。
押しては引っぱって、歯で擦ったかと思えば舌が嬲る。

「…は、ぁ゛…っ、……し、しっつ、こい…っつーの…」

涎で透けたシャツとブラまでが張り付き、そこだけがぬらぬらと鈍く光っていた。
頭にカッと血がのぼる。
自然と引ける腰をきつく抱きしめられているせいで深まる密着が憎い。
足を割ってある精悍な体が押しつぶすスカートの中に、湿りを帯びはじめた秘部があるからだ。

見透かしたように、重ねていた龍の腕がそこへ伸びた。
薄地を掻き分けて直に指が触れると、千鶴はぎゅっと目を瞑った。

「……」

一旦、龍は指を離した。
千鶴の不安を汲んでか、龍は腰を浮かせて千鶴の額に額をこつんと当てる。
恐る恐る瞼を開けると、息がかかるほどの距離にいる龍が静かに見つめていた。
キスをした。
互いの想いが溢れて、さっきまであった心細さがちいさな切なさに取って代わられる。

腰に残っていた腕で流れるように抱きしめられると千鶴も膝立ちになった。
冷えたタイルに膝がわずかに食い込んだ。
もう一度、殊更ゆっくりに指を差し込まれる。

「……っ………ぁ…」

千鶴が遠慮がちに龍のシャツの裾を握り締めた。
頭上から精緻な観賞を受けながら、千鶴の声が少しずつ解れ出る。
時折ピリッと走る痛みを、徐々に甘さが上回っていく。
抜き差しや、円を描く指の本数が1本増えた。

どうにか2本分の圧迫感を逃がしたあたりで、緩慢だった動きが鋭くなった。
千鶴はその快感に堪えかねて龍の首に巻きついた。
崩れ落ちそうになるのを、首に掛けた腕だけで支える。
龍の耳の中で千鶴のくぐもった声が反響した。

「ふぁ、あ…ッ…んぅ!ん゛」
「…………!!」

龍の起立は痛々しいほどだった。
黒い布地を突き破るために片時も休まず起ち上がりつづける。
いつもは誰にも見つからないよう、ひたむきに隠し続けてきた本能が。
血肉に包まれた本能が、自制のたがを外して金切り声をあげる。

龍は動きをやめ、千鶴の手首を引いて促した。

「手、ついて」

肩で息をする千鶴は言われるがままに背を向けて淵に手をかけた。
力が入らず滑りそうになる膝を、足先の指を返して爪をタイルに立てて支える。
639 白雪姫もどきエロ[sage] 2009/04/07(火) 00:08:29 ID:STfKUmMs
入れるぞ、と低く発せられた声は惚けた千鶴の斜め上を通り過ぎていった。
あてがわれた肉が肉に食い込む。
その時になってやっと千鶴はその体勢にさせられた意味を知った。

「え……?あ!?まっ――」

振り返ってももう遅い。

「千鶴……もっと息、しろ」

起立の先だけが入り、半分ほどが龍からは見えなくなる。
互いに、特に千鶴は、痛みばかりが広がる。
濡れてはいても、内壁は侵入を必死に拒んでいた。
呻くように名前を呼ばれても千鶴は返せない。
犬さながらに浅く早い息を繰り返す。

「っ、はっ、はっ」

千鶴のしなやかな体躯が小刻みに震えていた。
龍にも、悠然と装う余裕は微塵もないのだ。

龍は汗の粒を舐めとり、前にまわした褐色の腕で腿と胸を刺激する。
性急な愛撫に千鶴の細い腰がぴくぴくと反応した。
あたえられる快感を全身で思い出しはじめる。

(りゅ、う!)

進められた腰が溶けた秘部に包まれた。
火照った肌が一つに戻ろうと求めあっている気がした。
クレッシェンドが深くなる。
腰を掴む掌のかさつきや寄り添う踝、隙間なく埋められた接合部。
後背にかかる切なくあがった息も、全ての触れた場所から快感が流れ込む。

「は…ンんぅ…あ、あっ!」

龍が千鶴のうなじに噛みつくと、甘い痛みに背中が跳ねた。
そのまま覆いかぶさると、限界が近いのか打ちつける腰に気遣いや容赦がなくなる。
テクニックもクソもない。
肌のぶつかり合う音が天蓋によく響いた。

「ぁ!やっ、あ、あ、ァ、っ!も、ぅッ、りゅ、う!!」
「俺、も、…いく…、………ぅ、ぁっ……!」

初めて聞く上擦った声に煽られて、千鶴の最後の叫びは仰け反ったわりに声にもならなかった。

「ああ、ひっあぁあ、―――――――――ッッ!!!!!」
640 白雪姫もどきエロ(ラスト[sage] 2009/04/07(火) 00:15:25 ID:STfKUmMs



「なに考えてんの?」 

やけに大人しい千鶴を横目で窺いながら龍が聞いた。 

息が整ってから、情事の後処理はテキパキと龍がこなした。 
力の入らない千鶴の体も湯で洗われ綺麗になる。 
子供のように脇を持たれ、湯船につけられたのは数分前のこと。 

「…なーんにも…」 

気付けば光柱の色が橙に染まっていた。 
二人で湯につかり、ただただ並んで座ってぼんやりとしていると不思議な気分になる。 
並ぶ4本の足を見るともなしに見る。 
たゆたう像がなんだか愛しくなって、いてもたってもいられなくなった。 

(ずっと、こうして、こうやって) 

「…なぁ、龍」 
「ん?」 
「結婚しよっか」 

龍は大きく開いた目でつぶさに千鶴を見つめるばかりだった。 

欲がでた。 

きっと一生、龍は自分に仕え続けるだろう。人間になった“家来”という立場で。 
想い合えているからといって、体を重ねたからといって、奉仕の態度が変わるとも思えない。 
このまま有限の生を終えるまで、自己嫌悪と自責の念を忘れずに忘れられずに、龍の体は傍にいる。 

そんな不毛な後悔より、もっともっとあたしの近くにいてほしくなった。 
心の中から、そんなこと忘れ去るぐらいあたしと笑ってほしい。 
忘れられなくてもいいから。 

(一緒に生きたい) 

「あたし、龍のこと幸せにできるように頑張るからさ…」 

ようやっと言葉の意味が理解できたのか、視線を外して長い沈黙のあと、龍はため息をついた。 

「それ……、こっちのセリフ」 

お互いの照れが伝染して、それはいつの間にか大きな笑いになる。 
たくさんたくさん笑った。 
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Posted by zmxrfefow 2013年11月21日(木) 07:49:49 返信

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