最終更新:ID:0ubqGp2oHw 2011年04月18日(月) 14:22:46履歴
- 676 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:34:56 ID:HkcU5t0c
- 太陽、風がそよそよ、川に芝生。な〜んて平和。
「…なにやってんだよ!あたしっ!!」
がばっと起き上がると、石投げをする小学生たちが視界に入る。
そよ風に吹かれながら昼寝しそうになってるこの状況。つい思ってることが口に出た。
「…どした?」
龍が寝返りをうってこちらを向く。
今日は珍しく野球もなくて、お互い暇で。珍しく外で昼飯食って、ボーリング6ゲームして、帰りの川原でごろ寝して。ザ・健全!SO・健康!毎日毎日毎回毎回。
「なにいじけてんの?」
草を毟りまくっていた手を取られて、むにゅむにゅ握られて遊ばれる。
う゛ぅぅ。彼氏なら彼女が悶々としてるんだから、なんとかしろよっっ!
「草くせぇ手」
…言うに事欠いてこの野郎。
「〜〜〜〜〜〜っ!触んじゃねえ!!」
不満があるわけじゃない。飯食うのも、ボーリングも、ごろ寝も、馬鹿話も、ゲームも、昼寝も。
でも自覚したとき以来、…傍にいるのに、切ない。そうなるのはあたしばっかりなんじゃないかって思って、焦る。欲がどんどん深くなるのはあたしの方なのかと。
「陽も陰ってきたし、帰るか」
龍が立ち上がって歩き出す。
「あ」
伸ばした手は一歩遅かった。
「千鶴?」
「ああ、行く行く!」
あのボーッとした表情を驚かせたい。あの余裕そうな笑みを崩したい。体温に、もっと触れてみたい。
やっぱりちょっと、切なくなるよ。
- 677 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:35:43 ID:HkcU5t0c
- 部屋に入ったはいいが微妙な沈黙が流れる。決意が揺らぎそうになるから喋れ。無口め。
「…座らんの?」
「座る」
ベッドに腰掛けると、龍が不思議そうに見てきた。あたしだって自分の挙動不審ぶりに凹んでんだから見んな!
龍があたしに背中を向けたとき、思わず手が出た。また、届かないのかと思って、つい。でも龍は同じように座ろうとしただけだったみたいで、指と肘がぶつかる。
「いっ」
「!…わるい、大丈夫か?」
ジンジンと痛む手、心配そうに屈む龍がちょっと可愛かった。自分の間の悪さにウケる。
「はっ、はははははははは!!」
「…?…ち」
「龍」
龍の言葉を遮って、続ける。考えんのやーめた。
「ちょっとこっち来な」
「?」
「いいから!」
肩に手を掛けて、服を強く引いてベッドに押し倒す。その上に馬乗りになって向かい合う。
「千鶴?」
「…」
答えないで目を伏せる。龍の顔が視界に入らないようにするため。…今は見てらんないわ。
「っ」
首筋にキスをすると龍の肩が少し浮く。正直、うれしい。
触れるだけだけど、耳や喉や、服の裾を捲ってアバラや臍の上にも。
「あたしだって」
龍はあたしにキスしたとき、こんな気持ちだったのかな。
「したいから、こうするんだ」
…なんだかすっごい、エロい気分。
それでいいんだけどね。龍にもそうなってほしいからやってる事なんだし。
- 678 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:38:48 ID:HkcU5t0c
- 「文句ないだろ?」
にっと笑う龍の体温が両手から伝染する。
「ない」
さてお次は……。
………………どーすんだっけ。あれ?
「?」
「…………」
固まるあたしをどう思ったのか、龍があたしを退けて立ち上がる。
『スエゼンクワヌハオトコノハジ』、なんて言葉が浮かんで消えた。
「なんか飲」
「やめんなっ!!!」
本心だよ?いや本心だけどさ、またいつもの癖でつい言っちゃったけどさ。ほら龍びっくりしてるよ、鳩に豆鉄砲だよ、鳩豆だよ。てかそれはこっちの台詞だよ、あたしが一番ビックリだよ…。
顔に血が集まるのをまじまじと感じながら、ツッコミばっかり入れてしまう。
「あ…あたし、そんなに魅力…ないのかよ…」
悔しくて、情けなくて。 顔が上げられない。
「違う…そんなんじゃ、ない」
叱るような、諭すような言い方だった。
「…本当に、」
好きだよ龍。
「いいのか?」
「いい」
―――龍が、いい。
こう言えたらいいんだけど。今、はっきり返事をする以外の器用さはあたしにはない。
- 679 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:40:03 ID:HkcU5t0c
- 龍がロンTを脱いで上半身裸になる。裸なんか見慣れてる筈なのに、直視できなくなった。
大きな影がゆっくり覆いかぶさってる。
「嫌になったら言って。やめるから」
「言わねーよ…」
拗ねたように言うあたしに、龍は鼻で笑ってキスをくれる。
自分の舌で初めて感じる他人の舌。聞こえてくるお互いの息遣いや唾液の混ざり合う音に、あたしは一瞬で耳を奪われた。鼓膜が口元についてるんじゃないかってくらい、その音たちでいっぱいになっていく。
「……っ、は、ぁ…」
長くて深い口づけが終わると、子供みたいにバンザイで服を、ミニスカとブラも脱がされる。
壊れ物を扱うみたいに後ろに倒されると、気恥ずかしさから顔を背けてしまった。追うようにほっぺにも触れるだけのキスをされて思わず睨む。
「いや、かわいくて」
眉間のしわを深めながらも何も言えないでいるあたしの頭をぐしゃっと撫でて、龍は続ける。
全身もその角張った掌で撫でながら、ちろちろと舐められていく。胸までくると優しく包まれ、その頂も口の中で歯や舌に吸われた。
「…っっぅ…」
吐き出される筈の息が喉の奥で詰まる。くすぐったいような、腰の跳ねるような感覚に体はピクピクなるけど、声は出せない。
あたしは顔の上で腕を組んで唇を噛みしめた。
「頑固」
「…うるせ」
掌と舌がどんどん降りていく。臍の周りをくるりと一舐めされてから、ショーツを引き抜かれる。
びっくりして組んだ腕の間から覗き見ると、そこには自分自身の指を舐める龍がいた。視線がぶつかって見せつけられているみたいで…。あの舌に全身を舐められていたのかと思うと、下腹が疼いた。
龍の濡れた指に秘部の入り口を優しくなぞられる。
「っ!!」
ゆっくり差し込まれるとぴりぴりとした痛みが手足の先まで走った。気づくと痛さからか肘を突き、上体を少し浮かせ背中が丸まる。顎は固くなって、歯が軋んだ。
部屋の温度も上がり始める。そっと抜き差しを何度も繰り返す指が不意に折り曲げられ、ある壁を掠めたとき快感が背筋を駆け上がり口から出てきた。
「ぃあっ!?」
うろたえるあたしを無視して、龍の指はそこから離れない。
- 680 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:41:05 ID:HkcU5t0c
- 「っう…ちょ、龍!まっ」
「痛みは?」
「いたっ!み?ぅあ……な、いっ…」
体を駆け上がり続ける気持ちよさが痛みを押さえ込んでいた。
この体は本当にあたしのか?呼吸が速くなるのを止められない。
「千鶴」
指は抜かれて、あたしは息を整えるのに必死だった。
惚けた頭を叩き起こして龍を見やる。縋るような瞳があたしを見つめている。
「…はぁっ…もしかして…りゅう、も…緊張してる?」
「……当たり前」
同じ気持ちでいてくれていたんだと思うと、胸が締め付けられるように温かくなる。
「今から入れるけど…やめるなら今やめといた方が」
「龍、しつこい」
龍の腕を引いて、チュッと音のするキスを頬に一つしてやる。さっきのお返しだっ!
龍の顔がまた鳩みたいになった。
「ははっ!かっわいー、龍」
苦笑した龍があたしの横に手をつき腰を進めてくる。慣らしたとはいえ、指の何倍もあるモノが身を掻き分けて入ってくるにつれて腰の痛みがズーンと重くなる。辛うじて出血はない。
耐えきれないほどじゃないけど、痛え。
「千鶴、大丈夫か?」
シーツを掴む手に力がこもるが、首をブンブン縦に振る。
「嘘つくな」
「じゃあ!!聞く、な…っ…」
「このまま暫くは動かないから。力抜いて」
「そんなん、どーやんだよ…。いっ!ぅ」
「手、貸して」
汗ばんでシーツにへばりつく左手を剥がし、龍の差し出された右手に乗せる。
龍が顔だけを手に近づけてくる。体を動かさないように注意してくれているのが分かった。
- 681 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:41:54 ID:HkcU5t0c
- 「!!!、な!舐めっ」
「黙って深呼吸」
龍があたしの中指を舐め始める。指から舌のザラザラ感からうねりや強弱まで、脳に直に響いてくる。
こんな場所まで感じるなんて…初めて知った。舐められるから感じるのか、龍が舐めるから気持ちいいのか。どっちだ?
舐められる指が薬指や小指に移るにつれて、意識が奪われる。頭の芯が痺れて、自分の荒い息遣いや声がだらだらと漏れ出していってしまう。
「ぅ…ぁっ龍、やだ……こ、れ」
小さなキスが爪から手首から肘から這い上がる。迫る瞳はあたしだけを、じっと見つめて離さなかった。
「ふ、…うっ」
肩や首や耳に龍の唇が辿り着くと同時に、龍の起立したモノが根元まで埋め込まれた。
「あ!あぁ…」
「力、抜けたみたいでよかった。…痛くないか?」
目をギュッと閉じて、何回も小さく頷いてみせる。今度のは、嘘じゃない。
龍の大きな手に頭を撫でられて安心感が広がっていく。
「千鶴」
そんなに大事そうに呼ぶなよ…。
あたしだってアンタが大事だって、伝えたいのに恥ずかしくてうまく舌が回らない。だから必死に手を伸ばしてみた。薄く目を開けると、丁度あたしの両手が龍の頬を包むところだった。
「っ」
「んっ…」
触れるだけのキスをする。
言葉にならない想いは、体温ににのせて伝わればいいのに。心底、想う。
- 682 エチー[sage] 2009/01/10(土) 02:43:56 ID:HkcU5t0c
- 「んぅ!?っぁああ」
下からの突き上げに、龍としっかり繋がっていることを思い知らされる。
「ひっ、あぁ!りゅ、うっ…ぅむ、っ!っ!」
今度は龍から深く口付けられて、止まらない性急な揺れに体がついていかない。あたしの血中内の酸素が足りなくなってきた。
「はっ!っ、む、ぐ」
やっと龍から唇が開放される。あたしは大口を開けて胃に酸素をめいっぱい取り込んだ。
さらに突き上げが増すと、体の内から湧き上がる快感が確かに在った。
「龍!ちょっ、と…ま、て…待って…」
「悪い待てない」
短くそれだけ言うと、苦しげに龍があたしを抱きしめる。
「へ?えぁっ!ふ、あっあっぁあ」
「…くっ」
「ーーーー!!」
最後は声にならず、頭の奥で閃光が走った。
無意識に気怠い腕をふらふらと持ち上げて、龍を抱きしめ返す。
肩口に顔を埋める龍の表情は読み取れなかったが、さらに抱きしめる力を強くしたのはあたしの体温を感じ取ってくれたんだと思いたい。
だんだんと呼吸も落ち着いて、龍があたしの横に寝転ぶ。喉がカラカラだ。
「千鶴が…あんなキスするから」
「あたしのせいかよっ!?」
「うん」
「おいっ!!!」
【おしまい】
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