■prologue
思い起こせば、最初から無理だったのだろう。野々宮悠太として…男として生きていく
ということが。野々宮ノノとして生きられればどれだけ幸せだっただろう…
だが、それも今となってはすべてが空しい。
あの男――火野コーチに女であることを見破られてしまってからでは、すべてが遅すぎた。

その日、野々宮の携帯電話が鳴ったのは、そろそろ陽が沈もうかという夕方ごろだった。
『野々宮悠太さんのお電話でよろしかったでしょうか?』
『この前に、お話を聞かせていただいた、道警の山田という者ですが、少し注意していただ
きたいことがございまして…』
山田という人物は、野々宮の誕生日に火野コーチが殺人未遂を犯した時に担当した刑事だった。
野々宮も、この山田刑事から事情聴取を受けたが、人当たりの良い人物だったのを覚えている。
その山田刑事が電話で告げた内容は、野々宮を不安にさせるものだった。
『実は、火野容疑者が現在逃走中なんです。護送中に護送車が事故を起こして…』
山田刑事の話では、火野コーチが警察の手を逃れ、行方不明だという。
『容疑者は野々宮さんにも恨みを持っているかもしれません。十分に気をつけてください』
そう言って山田は電話を切った。あのとき、火野のアパートで凌辱寸前までいった事実は
ノノ本人と、今は療養中の岸谷しか知らない事実だ。
「とにかく、早く帰ろう」
沈む夕陽に不安を覚えながらノノが家路につく様子を、背後から盗み見る男の姿があった。
この後に、ノノがの不安は不幸にも的中することになる。



■火野ふたたび
「う、うぅぅ…」
ノノが痛みを伴う眠りから覚めたのは、完全に陽も落ちて夜の闇が世界を包んでからだった。
「よう、やっと起きたか?野々宮」
聞き覚えのある声で我に返ったノノの視界に飛び込んできたのは、忘れもしない
あの卑劣な男、火野の不気味な笑い顔だった。
「ひっ!!」
驚愕と恐怖で身体をよじったときに、ノノは初めて自分が全裸で拘束されている事実に
気づいた。
全裸の上、開脚した状態で手足を革ベルトで結ばれ、首につけられた鎖つきの首輪。
レイプ未遂に終わった、あの時と同じ格好で屈辱的な姿のまま床に転がされていた。
「フフフ、今日はこの前のようにヘマはしねぇぜ。キッチリ楽しませてくれよ」
火野はビールの缶を片手に、下卑な笑いをあげている。
改めて周囲を見回したノノは、この場所が火野のアパートであることに気づいた。
薄汚い畳敷きの部屋には、卑猥な男性誌や、ビールの空き缶やタバコの灰皿などが
無造作に置かれている。
「ヘヘヘ、灯台もと暗しってな。警察もまさかアパートに帰ってるとは思ってねぇみたいだぜ」
「や、やめて…お願いです」
小声で火野にささやくノノの心情を火野は見抜いていた。
「フフフ、大声出して困るのはお前のほうだよな?今日は楽しい夜にしようぜ。これを見ろ」
火野が指差した先には、三脚に据えられたビデオカメラとモニターがあった。
モニターにはノノが誰にも晒したくない<女の身体>を映し出していた。
「今度はお前がオンナである証拠を残しておくからな。俺が捕まってもお前は俺を
訴えることはできんぞ」
「い、いや…どうかそれだけは……」
ノノのか細い哀願の声を掻き消すように、火野は続けて言う。
「ビデオだけじゃねぇぞ。ほかにもお楽しみも用意してあるからな。ヘヘヘ」
火野の目線の先を追ったノノは、そこに積まれているモノをみて暗澹たる気分に陥った。
ダンボール箱に入っていたのは、張り型や鞭、浣腸器などの無数のSMグッズやノノの知らない
得体の知れない機械のようなものなど、女を苛む道具が入っている。
「夜は長いぜぇ、野々宮〜」
火野の言葉を皮切りに、ノノにとっての地獄の夜が再び幕を開けた。



■口唇責め
あれから何分が経ったのだろうか。全裸のノノの乳房を火野は執拗に愛撫していた。
前回のレイプ未遂の時は、乳房を散々を責めたれられた後、犯される寸前に岸本が助けに来て
事なきを得たが、今はその岸本も病院で療養中であり白馬の騎士は現れそうに無い。
(あぁ…誰か助けて)
ノノの心の叫びをよそに、手馴れた仕草でノノの乳首を責め続ける火野は、ノノの身体の変化を
感じ取っていた。
「おい、いい感じで乳首おっ立ててるな」
乳首の感度を見て取った火野は、股間の秘部にも手を伸ばし、ノノの陰唇が湿り気を帯びている
ことを確認してニンマリと笑った。
「下の方も濡れ濡れってところだな。準備OKってことだよな?野々宮」
「ど、どうかそれだけは……なんでも言うことを聞きますから…」
貞操の危機にノノは叶わぬと思いつつも哀願せずにはいられなかった。
「よし、ならば俺をキスで満足させてみろよ」
火野の前歯は、前回の強姦未遂のときに助けに来てくれた岸本に折られて残っていない。
むき出しの歯茎を舌なめずりする様子に、ノノは生理的嫌悪を感じて目を逸らした。
(やだ…あの口にキスするなんて)
「フフフ。いやならハメさせてもらうぜ」
火野はむき出しにした下半身をノノに見せ付けて宣言した。
屹立したグロテスクなペニスを見て、ノノは決断せざるを得なかった。
「し、します。キスします」
ノノにとって、苦渋の決断だった。火野はニンマリ笑うと、口を近づけていく。
アルコールと口臭がミックスされた火野の吐息に、ノノは思わず顔を逸らしてしまう。
「おい、ちゃんとこっち向けよ。俺がキスのコーチもしてやるよ」
火野にあごを掴まれ、半ば無理やり唇を合わされたノノは、固く唇を閉ざしていたが
男の力に叶うはずも無く、すぐに唇をこじ開けられ、火野の舌が入り込んできた。
火野の舌は容赦なくノノの口内を舐めまわし、自分の唾液を呑み込まようとドクドクと
注いでくる。



「むむむ…」
ノノは、まるでナメクジに口内を犯されているような気持ち悪さと、
火野が流し込んでくる大量のヤニ臭い唾液を飲まされ、吐き気をこらえるのがやっとだった。
ノノの悲痛をよそに、火野は15歳の少女を思う存分楽しんでいた。
ようやく火野の濃厚なキスから解放されたときには、ノノは嫌悪感と絶望に打ちひしがれていた。
(うぅ…ファーストキスなのに)
大量に流し込まれた火野の唾液は、ノノの唇からあふれて糸を引いて床に落ちている。
「フフフ、どうだ?オトナのキスの味は」
「精一杯キスしました…もう満足ですよね……」
ヤニ臭い火野の唾液がノノのファーストキスの味となった。だが、火野はまだ満足していなかった。
キスで満足すれば、許してもらえるという約束であったはずだが、火野はノノを無視して
次の行動に移った。
「あんなガキみたいなキスで満足するかよ。今度は、もうちょっと別の味を楽しんでもらうぞ」
火野はノノの頭髪を鷲づかみにすると、己の股間へと押し付けた。
「俺がいいと言うまでしゃぶれ」
男の肉塊を目にしたノノは、火野の言う<しゃぶれ>という意味が理解できなかった。
躊躇するノノの意思などお構いなしに、火野は腰を突き出して巨根を唇へとねじ込んだ。
「むっうぅっ!!」
喉の奥まで突き入れられ、うめき声をもらす少女の表情を見ながら、火野はさらなる命令を加えた。
「今から3分以内に、俺をいかせたら許してやるよ。ほら精一杯しゃぶってみろ」
火野の命令に従うしかないノノは、嗚咽をこらえながら、恐る恐る舌を絡ませはじめた。
フェラチオという行為の存在は知っていたものの、男子とキスすら交わしたこともないノノ
が火野の欲情を満たし、射精に至らすことなど到底無理な話だった。
火野も最初からフェラチオで果てるつもりなどなく、ノノをいたぶり、精神的に屈服させる
ことが目的だった。
(ククク、生意気なガキも、こうなっちまえば、だだの小娘だな)
「ほれ、あと10秒、9、8…終わりだ。使えねえ女だな」
ノノの必死の努力も空しく、カウントダウンはあっという間に終わってしまった。
すべて火野の書いた筋書き通りなのだが、ノノはなんとか火野の欲望を満たそうと必死だった。
「げほっ、まだやります…一生懸命がんばりますから」
ようやく口唇を解放されたノノは、火野を見上げ涙ながらに懇願を重ねる。
「いくらがんばってもヘタクソには無理な話だな。マンコで満足させろや」



■破瓜
「い、いや…どうかそれだけは」
「キスも下手、フェラも満足にできねぇ。これ以上は無駄だ」
火野はノノを床に転がすと、硬直した肉茎を秘奥にあてがい、有無を言わせず一気に押し込んだ。
「いたいっ!!いやぁっ!!」
破瓜の激痛がノノを襲う。火野はノノの悲鳴を聞いてほくそ笑み、腰を使い始めた。
「やめて、動かないで……ひぃっ」
ノノの悲痛な願いとは裏腹に、火野は念願叶ってノノの身体を手に入れて、有頂天に達していた。
この前は、邪魔が入ってしまったが、運よく脱走ができたのも神の導きかもしれないと
まで思い始めていた。
一方のノノは、卑劣な男に秘密を握られた上に、女として最も大切なものを奪われた運命を
呪っていた。
(どうして…どうしてこんなことに……)
ノノが流す涙を見て、火野の嗜虐心はますます燃え上がりはじめ、肉根の抽送が一層早くなる。
「さすがに15歳の女子高生の身体はたまんねぇな。もうイキそうだぜ」
「いやっ、それだけは、どうかやめて!避妊してください、赤ちゃんできたらジャンプが
できなくなってしまいます」
女であることを隠し、男として生きてきたノノにとって、スキージャンプは最後の希望
であり守るべき砦だった。
「へぇ、そんなにジャンプしてぇのか。でもさ、一人ぐらいボテ腹ジャンパーがいても
面白いんじゃねぇか。ハハハ。じゃあイクぞ」
火野の動きはピークに達しようとしていた。
「いやっ、いやっだめぇっ」
「フフフ、いい子を孕めよっ」
ノノの悲鳴は火野の怒声によってかき消され、大量の白濁液が注ぎこまれた。
それは、少年として生きてきたノノが、少女へ、そしてオンナに変わった瞬間でもあった。



■浣腸遊戯
あれから、どれぐらいの時間が過ぎたのだろうか。ノノは破瓜の痛みも消えぬうちに
何度も秘奥を火野に汚され、そのたびに体内に男の欲望を注ぎ込まれていた。
「ふぅ、たっぷり出したな……ちょっと休憩でもするか」
火野は冷蔵庫から缶ビールを取り出すと、グビグビと一人飲み始めた。
「ノノ、お前も飲むか?」
ビールを勧める火野の声に対して、ノノの反応はほとんどなく、ただ呆然と天井を
見つめるばかりだった。
「そう気落ちすんな。オンナになれて幸せだろ?さっきはヒイヒイいってたじゃねぇか」
事実、火野の巧みな性戯によって、何度もノノは絶頂に追い込まれていた。
中年男にもてあそばれる嫌悪感よりも、クリトリスを舐めあげられたり、乳首を指の腹で
もてあそばれる行為が、ノノを翻弄したのだった。
「しょうがねぇな。一杯飲ませてやるよ」
火野は、コップではなく床に転がっていた浣腸器を手にした。
「ちょっとキツイが、イッキでいくぞ」
500ccの缶の中身をほとんど吸い取ったシリンジを、火野はノノのアヌスへあてがい、一気に
おしこむ。
「ひぃっ」
冷たい液体が体内に注ぎ込まれて、はじめてノノは自分が浣腸されたことに気づいた。
「なに?何が…いやぁっ。身体の中に…」
「どうだ、一汗かいて愛し合ったあとのビールの味は格別だろ?」
へらへらと笑いながら、ノノに言い放つ火野は続けてまくし立てる。
「ノノは未成年だからな。口から飲ませるわけにもいかんだろ?だから注入してやったんだよ」
「あぁ…そんな……」
アルコールには比較的強い体質のノノだったが、腸壁から吸収されるビールがノノに陶酔感
を与え始めていた。
このままでは、次第に酔いが回ってますます火野の思うように弄ばれてしまうに違いない。
「そんな、おトイレに…お願いします。トイレに連れて行ってください」
ノノの哀願を聞いて、火野はにやりと笑い、またもや条件を突きつけた。



■浣腸
「じゃあ、アレを全部飲んでもらおうか。そうすれば便所でさせてやるよ」
火野が指差したのは、床に転がっていた牛乳パックと酢のビンとコーラのペットボトルだった。
全部で2リットルはあるだろう。
「全部?そんな、無理です…」
「手伝ってやるからがんばりな。インターハイの選手なら朝飯前だろ」
火野はわけのわからないことを言いながら、まずはコーラを手にした。
ペットボトルのふたを開けると、ノノの口へあてがい、そのまま強引に飲ませる。
「ゲホッ。ゲホッ」
500ccのボトルの半分も飲まないうちに、ノノは猛烈にむせた。
「まだ半分だぜ…」
火野は再びコーラを、拘束されて身動きのままなら無いノノの口に流し込む。
何度かむせながらなんとか飲み干したノノは、すでにぐったりしていた。
「次は牛乳にすっか。ジャンパーにカルシウムは重要だしな」
ある意味ではコーチらしいことを言いながら、火野は牛乳パックのふたを開けた。
そのとき、開封したパックからは猛烈な異臭が立ち込め始めた。
「おっと、賞味期限すぎてるじゃねぇか……まぁいいか。高校生なら大丈夫だろ」
相変わらず奇妙な持論を披露しながら、火野はパックをノノの鼻先へ突きつける。
すえたような匂いと、ヨーグルト状に変化した液体は、先ほどノノの体内に注ぎ込まれた
火野の精液を彷彿とさせるものだった。
「これは…無理です。もう無理です……」
「ん?そうか?じゃあ《下から飲む》か」
火野はそう言うと、すばやく浣腸器に腐った牛乳を注入し、ノノのアヌスへ流し込みはじめた。
「い、いやぁっ。そんな、やめてぇ」
腐った液体を腸内に入れられる恐怖と感触にノノは絶叫した。
「お口で飲めねぇんなら仕方ねぇだろ?」
ヨーグルト状の牛乳浣腸を楽しむかのように、火野は浣腸器のシリンジをゆっくりと押し込んでいく。
「ほーれ、入ってく入ってく…全部入ったぜ。最後の酢はどっちから飲むか決めてくれよ」



たっぷり時間をかけて注ぎ込まれた牛乳浣腸は、はやくもノノの腸内に刺激を与え始めていた。
「も、もう無理です。もう入りません。ゆるして」
苦悶の表情でアヌスをひくつかせるノノの様子をみて、火野はまた別の責め苦を思いついた。
「そうか、じゃあ十分間クソするのを我慢したら許してやるよ」
すでに、腹部には刺すような痛みと排泄を促す刺激がある。
これ以上得体の知れないものを飲まされるならば、排泄を我慢しようとノノは決意した。
「我慢します。ですから、もうそれを飲むのは許してください」
「フフフ、じゃあ今からだぞ」
火野は腕時計のストップウォッチを操作すると、ノノが浣腸に苦しむ様子を肴にして
ビールを飲み始めた。
「やっぱうめぇな。特に女と飲む酒は最高だぜ。ハハハ」
火野がビールを楽しむ一方で、ノノの腸内では、ビールと牛乳が猛威を振るい始めていた。
「うぅ…苦しい……」
便秘気味で宿便が多いノノにとって、大量の浣腸は急激な作用をもたらしていた。
「んん?ちょっとしんどいようだな?まだ3分も経ってないぞ」
にやにやと笑みを浮かべてビールを楽しむ火野は、ノノに助け舟を出してやることにした。
「まだまだ時間はあるからな。少し栓をしてやろう」
そういって火野が手に取ったのは、コンビニで調達したおでんの卵だった。
すでに冷め切っている卵を、火野はヒクヒクと蠢いているアヌスへとねじ込んだ。
「きゃっ!やめてぇっ」
異物が挿入される感覚でほろ酔い加減から我に返ったノノは悲鳴を上げて懇願する。
「漏らさないようにしやってるんだぞ。感謝しろ」
恩着せがましく自分勝手な言い分を言う火野は、さらなる恥辱をノノへと与えていく。
「まだ、ちょっと不安だな。もっと奥まで……棒状のやつで……これにするか」
火野が手にしたモノを見て、ノノは急激に酔いがさめていくのを感じた。
「お前はソーセージは好物か?」
<ジャンボマグロソーセージ>と書かれたそれは、直径3〜4センチはあろうかという
巨大な魚肉ソーセージだった。
「俺の酒のつまみを使ってやるんだ。ありがたく思えよ」
そう言い放った火野は、有無を言わせず魚肉ソーセージをノノのアヌスへ挿入した。



「ひぃっ!!」
「なかなかしまりがいいケツしてるな。さすがはインターハイ選手」
既にアヌスへねじ込まれていたおでんの卵が、ソーセージによってどんどん奥へと
送り込まれていく。その異様な感覚に対して、ノノは戦慄した。
「お、奥にまで…あぁ…あぁ…やめ…やめてぇ…」
ただでさえ浣腸によって腸壁を苛まれている上に、直腸の最奥部まで異物を入れられて
ノノの懊悩は限界に達しつつあった。
「どうだ、即席のアナルプラグの具合は。これであと何分かはもつだろ」
ヘラヘラと笑う火野は、奥まで差し込んだソーセージを半分ぐらい引き抜いては
また、最奥部まで押し込んだりピストン運動を繰り返して、アヌスを弄んで楽しんでいる。
その一方、ノノは我慢の限界に達しつつあった。
だが、この部屋には時計が無く、時間は火野の腕時計だけが刻んでいる状態だった。
「火野さん…ま、まだですか…もう10分過ぎてませんか」
「ん?まだまだだぞ」
腕時計を覗き込んだ火野は、にやりと笑って言い放った。
「時間を気にしすぎだな。チンコで少し気を紛らわせてやるよ」
この時点で、実は時計は11分を指していたが、終わらせるつもりの無い火野は
股間の剛直をノノの女陰部へあてがうと、そのまま割りさいていく。
「きゃっ!なにを」
ノノは火野がこんな状態で性行為を行うことが信じられなかった。
ノノの身体にのしかかった火野は、腰を使いはじめた。
「いやぁっ。い、今は…今は無理です!!」
哀願など聞く耳もたない火野は、激しく生で挿入したまま律動を始めた。
腹部で猛威を振るう浣腸と、直腸の奥で苦しみを与える卵やソーセージ……これだけ
でも堪えきれないというのに、火野はノノの腹部を押さえ込むようにして腰を動かしていた。
「ひっ、お腹を押さないで。ひっ!ひぃっ!!」
「なんだかんだ言ってマンコは濡れ濡れじゃねぇか。ハハハ…ちっとは気が紛れるだろ?」
火野の言葉通り、ノノの身体は反応していた。身体の奥底から勝手に沸いてくる悦楽に
ノノ自身も動揺していた。
「ひっ、ひぃっ。いやぁっ。も、もう、時間じゃないですか。まだなんですか。うぅっ」
火野が浴びせる揶揄を聞いている余裕もなくなってきていたノノは、壊れた人形の様に
哀訴を繰り返す。
「あせるな。時間になったらトイレに行かせてやるよ」
「あと二分だ」
言葉と裏腹に、時間を守る気などまったくない火野は、そのまま中に出すまで嬲り
続けるつもりだった。その証拠に、時計の針はすでに十五分を経過していた。
火野はノノの乳首をつまんで責めたり、ディープキスでビールを口移しに流し込んだり
して、ノノを苛み続けた。
そして、ようやく子宮の奥へ火野が思いのたけを流し込んだとき、ノノは苦痛のあまり失神
していた。そのとき、実に時計の針は20分を指していたのだった。
火野の卑劣な引き伸ばしの末に意識を失ったノノは、だらしなく床に横たわっていた。
「おっと、少し時間オーバーしちまったかな。フフフ」
「まぁまぁ楽しませてくれたな。だが気絶したところで、まだクソは出させねぇぜ」
意識の無いノノに、火野はにやりと笑って言い放つのだった。



どのくらい意識を失っていたのか……ノノは耳障りな火野の声で目を覚ました。
「おい、起きたか?ほれ、トイレにつれてきてやったぞ」
ノノは火野の言葉が信じられなかった。火野の視線の先にあるのは、ただのプラスチックの
バケツがおいてあるだけだったからだ。
相変わらず手足を拘束されたまま、椅子に縛られているので、トイレへ逃げ出すことも
ままならない。
「約束が違います。我慢したらトイレに行かせてくれるって…」
「何でも火野さんの言うとおりにしました。お願いですから……」
「あぁ?何言ってるんだ。これがお前のトイレだ」
せせら笑う火野を見て、今までの苦労がすべて徒労に終わったことをノノは知った。
「ちゃんと撮ってるから、思いっきりヒリだせよ」
「いやぁっ。出ちゃう…やめてぇっ!!」
火野が嬉々として、魚肉ソーセージをアヌスから引き抜くと、ノノの悲痛な悲鳴と同時に
肛門から黄金色の噴流がほとばしった。
大量の流動物がバケツを叩く音がようやくとぎれると、火野は汚物まみれのバケツの中へ
唾を吐き捨てて、言い放った。
「野々宮。お前のクソ最悪だな。こんなに臭いクソを溜め込んでいたとはな」
「ひどい、どうしてこんなことを…」
ノノの悲嘆を打ち消すかのように、火野はとんでもない言葉を返してきた。
「部屋が臭くなるから、元のクソ袋に戻すか」
火野は、排泄されたばかりの下痢状の便を浣腸器のシリンジに吸入しはじめた。
みるみる内に浣腸器は黄土色のノノの下痢便で満たされた。
「また入れてやるぞ。受け取れ」
「いやぁ!!やめてっ、やだぁっ」
まさか排泄したものを再び腸内に入れられるとは思っていなかったノノは絶叫したり
懇願したりするのだが、それは火野の嗜虐心に火をつけるだけだった。
夜が更けるにつれ、古ぼけたアパートの一室から漂う異臭と悲鳴は濃厚になっていくかの
ようであった。



■夜明け
東の空が白み始めたころ、凌辱の舞台となった火野のアパートは、静けさを取り戻していた。
「ふぅ、これでケツ穴もすっかり綺麗になったな。野々宮」
「はぃ……もう綺麗になりました」
バケツへの排便を余儀なくされたノノは、その後火野によって、何度も排泄しては
注入されを繰り返され、完全に火野に屈服していた。
いったい何度排泄をさせられたのか、火野もノノも数えられないほどの回数の注入と排泄を
繰り返した。この浣腸拷問によってノノの心は完全に折れ、むしろ従順になることで
火野の歓心を買おうとしていた。
「おい、野々宮。その気になったか?」
「は、はい。綺麗になりましたから…ケ、ケツマンコに火野さまのモノを入れてください」
火野によって強要された屈辱的な言葉を述べ、自らアナルセックスを望むのも、すべては
執拗な浣腸責めのなせる業であった。
「よーし、じゃあ野々宮のケツマンコも鍛えてやるか。世を忍ぶ仮の姿は男なんだから
ケツ穴のトレーニングは重要だぞ」
<トレーニング>と称して、火野は己の剛直を、ノノの菊門にあてがうとズブズブと沈めていく。
「あっ…ひぃっ!うっ…うぅぅっ」
後背位で、犬のように尻を犯され、豊かな乳房を乱暴に揉まれて責められる。
生理的嫌悪すら感じる火野に犯されている状況で、身体の奥底から沸いてくる心地よい疼き
にノノは戸惑い、表に出すまいと戦っていた。
(ククク。こいつマゾっ気があるな)
ノノの戸惑いを火野は察していた。弾力に満ちた乳房を鷲掴んで爪を立て、尖った可憐な
乳首をつまんで荒々しくひねりつぶす。
「あっ!あっ!ひっ…ひぃっ!!」
「ケツでイクとはな。だがお前は犬だろうが。ワンと鳴け」
「ワ……ワン」
「フフフ。いい子だ。褒美をくれてやるよ」
火野は褒美と称して、床に転がっていたおでんの卵を手に取ると、女蜜であふれている陰唇へ挿入した。



「ひぃぃぃっ!!そこは、いやぁっ!!」
唐突な二穴責めにノノは首をのけぞらせて絶叫すると同時に、ビクビクと身体を痙攣
させている。
「いっちまったか。インターハイ選手なんだろ?もうちっと粘らんか」
火野は揶揄しながら、さらに巨大なバイブも押し込んでいく。
「やっ…やめっ…深い。やめてぇ」
グイグイと火野が突き入れるバイブによって、先に挿入されていた、おでんの卵は
子宮口まで押し込まれていた。
「ぎぃっ、こわいっ…いやぁっっ」
奥底まで嬲られる恐怖に震えながら、言いようのない刺激によって、ノノは絶頂に
近づきつつあった。
「どうだ、マンコで食うおでんの味は?」
最奥部まで突き入れた状態で、バイブのスイッチを入れると、ノノは身体をガクガクと
震わせはじめた。そろそろ頂きに登りつめそうな気配だ。
火野の尻を突く動きもピークに向けて早まり、そのままうなり声を発した。
「ケツマンコに出してやるからしっかりうけとれよ」
直腸に火野の穢れが注ぎ込まれると同時に、ノノは子宮口を苛む異物の恐怖と
快感に震えながら、意識を薄れさせていった。
「気を失ったか。フフフ、丁度いい。最後の仕上げをするか…」
だらしなく床に横たわるノノの身体をピシャピシャと叩きながら、火野は机の上に
置いてあった錠剤を手にした。
この錠剤は、火野が随分前に睡眠不足だと医者に偽って、処方された睡眠薬だった。
鼻歌を歌いながら、火野は錠剤を粉々に砕いて温水に混ぜ、睡眠薬の薬液を即製して
その薬液を浣腸器で吸引した。
「ちょっと痛いことするからな、もうちょっと眠っててもらうぜ。フフフ」
意識のないノノに一方的に語りかけながら、火野は睡眠薬をノノの腸内へと注入していった。
こうして、気絶から深い眠りに落ちていくノノは、束の間の安息に恵まれたのだった。



■目覚め
ノノは部屋に注ぐ暖かい陽射しを感じて目を覚ました。
重いまぶたを手でこすりながら、辺りを見回す。
その時初めて気がづいたのだが、ノノを苦しめてきた手錠と拘束具が無くなっていた。
「あ、手錠が…」
用心深く、部屋を見渡したノノは、火野の姿がどこにも見当たらないことに安堵した。
「いない……逃げたのかな…」
やや落ち着きを取り戻したノノは、そこで自らの身体の異変に気づき絶句した。
「なに……これ……」
まず気づいたのは、両方の乳首に光る金属製のリングだった。
刺すような痛みを伴って、乳首を絶えず刺激しているそれは、乳首の根元を貫通
している。
「え、ピアス?うそ…」
指先で軽くピアスに触れると、乳首に刺すような痛みが走った。
ノノは、それに触ってみて気づいたが、リングの接合部は工具かなにかで圧着
していて、簡単には取り外せそうに無かった。

乳首に施されたピアスにショックを受けたノノだったが、身体に施された細工は
それだけではなかった。
下腹部に鈍い痛みを感じたノノは、痛むところを見て衝撃を受けた。
白雪のような柔肌の下腹部には、赤い文字で落書きのようなものが記されていた。
へその下の辺りに<中古>と手書きの字が書かれているのだ。
ヒリヒリと皮膚が痛む上、その文字の質感はサインペンや墨の類で書かれたものではない。
ごしごしと文字を指でこすっても、霞んだり薄まったりすることはない。
「うそ……タトゥー?」
ノノの身体に<中古>などと刻む人物は、火野以外考えられない。
意識を喪失している間に、火野がノノの身体を弄んでいたということだろうか。
「ひどい……私の身体に……」
芸術性など欠片もないような手書きの筆跡で、しかも書かれた文字が
<中古>である。ノノは二重の意味で衝撃を受けていた。



そして更にノノは臀部にも同様の痛みがあることに気づき、慌てて自らの双臀を
確認して驚愕した。
下腹部に彫られていた刺青と同様に、しみ一つなかったノノの尻たぶにも文字が
掘り込まれていた。
両方の尻に一文字づつ、大きく<牝><犬>と彫られたそれは、やはり火野の
手書きによるものだろう、ひどく汚い筆跡であり、しかも極太の大きさで尻一面を覆っていた。
ノノがプライベートで好んで履く女性らしいショーツでは隠し切れないほどの大きさで
彫られたその刺青文字は、ノノの繊細な心を折るには十分だった。
「もう…だめ……もういやだ。死にたい……」
そんな悲嘆に暮れるノノの視界に、一枚の張り紙が入った。
部屋のテレビの画面貼り付けられたその張り紙は、火野の筆跡でこう書かれていた。
《女子高生刺青入門ビデオ(&刺青の消し方教えます)↓》
張り紙の矢印の先にの床の上は、DVDのリモコンと思しきものが置かれている。
いかにもふざけた内容のタイトルだが、これは火野の残したメッセージに他ならない。
火野の姿が消えた今となっては、これがノノにとって最後のよりどころだった。
震える手でノノはリモコンの再生ボタンを押し、画面を見つめた。
『おう、野々宮起きたか?今からお前に初エッチ記念のプレゼントを施して
やるからよーく見ておけよ』
『まずはアクセサリーのプレゼントだ。俺のオリジナルボディピアスな』
画面の中でカメラ目線で上機嫌に話す火野は、手にペンチのような形の工具を
持っていた。
無造作にノノの乳首をつまみあげ、火野はペンチ型の工具で乳首を挟んだ。
カチッという工具の音と、乳房を伝って流れる赤い血が画面に映る。
意識のないノノはされるがままで、そのまま火野はもう一方の乳首にも同様に
穴を開けた。
本来なら、感染症予防のために念入りに消毒しピアッシングするのだろうが、火野は
そんなことはお構いなしに、血を流している乳首を口でくわえてしゃぶって唾液まみれ
にした後に、リング型のピアスを装着し、専用の工具と思しきものを使って、リングを
固定している。
『ガッチリ止めとくからな。勝手にはずすんじゃないぞ』
画面はノノの乳首をズームアップして写している。
無残にリングを装着させられた薄桃色の乳首が画面いっぱいに映っている。
そのリングを火野はひっぱったり乳房を揉みあげたりしてゲラゲラ笑いながら悦に入っている。
「ひどい…」
すべては数時間前に行われた行為であり、もはや取り返しはつかない。
画面の中で行われている行為を見るしかないノノは涙ぐんだ。



ノノの涙をよそに再生は続く。今度はノノの全身が画面に映し出された。
『綺麗な身体だな、野々宮。オトコとして生きるのは、もったいない』
火野の言葉通り、白磁のような美しい肌を晒すノノが映っている。
『念の為に、ほかの男に取られないようにしとかないとな。絶対にオトコに肌を
見せられないようにしてやるよ』
火野がそう言って手にしたのは、金属の光を放つ小さな銃のような器具だった。
『初めて見るだろ?タトゥーマシン、今から彫ってやるから見ておけ』
ビデオ録画とは言うものの、ノノは思わず「やめて」と小さく口走った。
だが、それは最早どうにもならない過去の出来事だった。
画面の中で、火野は不慣れな手つきではあったが、着々とノノの下腹部へと
文字を刻んでいった。
やがて、<中古>という文字が完成すると、今度はノノの身体をうつぶせに
して、臀部へと<牝犬>という文字を彫り刻んでいく。
おまけに、スピーカーからは、火野が口ずさむ陽気な口笛が聞こえてくる。
ノノに対する罪悪感や、意識の無い少女の表皮を勝手に刻んでいるということにも
躊躇はない様子で、むしろニヤニヤと笑って楽しみながら彫り進めていく。
『はい、紋々完成』
火野の脳天気な言葉と同時に、カメラはノノの白い臀部をズームで捉えている。
双尻に刻まれた<牝犬>という下品な文字を画面越しに改めて見た、ノノは
大粒の涙を流した。

『うーん。我ながらいい出来だ』
画面の中で火野はペチペチと手のひらでノノの尻を叩いて、悦に入っている。
そして、ノノに刻印を彫るという自らの行為に興奮したのか、火野の股間は屹立していた。
『最後に一発抜いとくか…』
だらしなく横たわるノノの身体の上に、火野は覆いかぶさり、己の怒張をノノの
秘奥に深々と突き刺していく。
固定アングルのカメラは、ノノと火野の結合部を余すところなく録画していた。
正常位で交わる秘部に、避妊具を付けていない火野のペニスが出し入れされている
様子が克明に録画されていた。
太ももを担ぎ上げるようにして交わっているため、ノノの尻も画面内に映っている。
その美臀には火野によって彫り込まれた<牝犬>の文字がはっきりと見える。
『いい感じに撮れてるかな?刺青女とのハメ撮り〜』
どうやら、刺青がよく映るようにわざわざ火野が尻たぶを持ち上げているようだ。
<牝犬>の文字を鷲づかみにしたり、ペチペチと叩いたり、ゲラゲラと笑ったりと
ノノがこの<ハメ撮り>を見ることを想定した画作りをしている。



「どうして、こんなひどいことが出来るの……」
火野の伝言に従って、やむを得ず自らが犯されるビデオを見ているノノは涙を
拭きながらつぶやいた。
出来ることならば、こんなものは見たくはない……だが、刺青を消すための
メッセージがこの動画の中に含まれているのならば注意深く見るしかない。

昏々と眠り続けるノノの身体を散々弄んだ後で、火野は腰使いを早め、そのまま
ノノの体内で果てた。
『おう、出た出た。牝犬に種付け終了』
テレビに映し出された火野は、なんの罪悪感もない様子で、むしろ子種を注ぎ込んで
満足している様子だった。
火野の肉棒が抜き取られた後、ノノの陰唇から白い液体があふれる様子まで克明に
ビデオは撮影されていた。

そして画面が暗転し、透明な液体の入った小瓶を持った火野の姿が映った。
『さて、そろそろ刺青の消し方を教えてやるか……』
もったいぶった口調で、火野はカメラに向かって語り始めた。
『野々宮の腹と尻に彫った刺青は、特殊な色素を使ってある。その色素はレーザー
とかで消せないようなやつでな……特殊な中和液でなら綺麗に消せるってわけだ』
『野々宮、これがお前の身体に彫った刺青を消す<中和液>だ』
無色透明な液体をカメラに近づけながら火野は説明を続ける。
『特別な製法で作っているから、この一本しかない。これをタトゥーに浸透させ
れば、もとの肌に戻るってわけだ』
ノノには刺青の知識は無かったが、レーザー手術で消せないといっているようだ。
だが、そもそもノノは女であることを偽って、スキージャンプ選手をやっている以上
美容整形クリニックなどには行けない。
火野の薬で消せるのなら、それに頼らざるを得ないのだ。
だが、続けてスピーカーから流れた火野の言葉を聞いて、ノノは絶句した。
『で、俺の今後だが……今から自首することにした』
「えっ?自首ってまさか」
ノノの不安をよそに、火野は小瓶を手で弄びながら続けて話している。
『刑事の話じゃ、大体2年は食らうって言ってたから、お前とは暫く合えねーな
<中和液>は出所後に渡してやるよ。だから、そのまま2年ほど我慢してしろな』
「うそ……それって」
火野が語っていることが確かならば、2年間はこのまま刺青の刻まれた身体で
生活を余儀なくされることになる。
『今から2年も犯れねぇのは残念だが、まぁ、その間はインターハイとか
オリンピック代表選抜とかがんばってくれや。じゃあな』
映像は火野の捨て台詞を最後に停止した。

「ひどい…この身体で2年も暮らしていけというの?」
年頃の少女が自分の身体を見ない日はない。ノノは風呂や着替えのたびに火野が遺した
凌辱の爪あとを見て、レイプされた事実を思い出すことになるだろう。
火野のアパートに、一人残された野々宮ノノは、涸れ果てたかのように思えた涙を
流し、むせび泣いた。



■epilogue
あの忌まわしい凌辱劇から早二年の月日が流れた。
クリスマスイブの今日は、野々宮ノノの17才の誕生日でもある。
野々宮"悠太"は、今や押しも押されぬ冬季オリンピックのスキージャンプ代表として
日々の鍛錬に取り組んでいた。
そんな中、今日は久しぶりのオフ日であり、ノノは練習の骨休めで繁華街へショッピング
に来ていた。聖夜を彩るイルミネーションがノノの心を癒し、練習の辛さを忘れさせた。
短い休暇を楽しむノノの携帯電話に一通のメールが届いたのは、そろそろランチにしようかと
考えていたころだった。

---------------------------------------------------------------------------- From: Hinonono@nnn.jp
件名: ひさしぶり
本文:
 ニュース見たぜ。野々宮《悠太》様はジャンプ代表らしいな。娑婆の空気はウマイな
 今から出所祝いをしてくれよ。
添付: 中古女.JPG

---------------------------------------------------------------------------- メールの内容を見て、ノノは愕然とした。
「出所……」
メールに添付されていた<中古女.JPG>という画像は、あの二年前の夜に、火野によって
撮影されたものだった。下腹部に刻まれた<中古>の刺青と、乳首に嵌められたピアスが痛々しい。
股間からあふれ出る白い精液と、乾いた破瓜の血痕もはっきりと写っている。
「うそ、出てきたの……」
唐突に訪れた火野からのメールをみて、街角に立ち尽くし震えるノノに、一人の男が
背後から声を掛けた。
「おう、野々宮。元気か?」
聞き覚えのある声に振り向いたノノは、そこに立っている男……火野を見て血の気が引いた。

あの日以来、ノノは常に火野の見えない影に脅かされ続けいていたが、目の前に現れた
火野の姿を見て、恐怖のため身体が硬直してしまった。
「今から出所祝いだ。パーティー会場はもう決めてある」
一方的に話す火野は、ノノの手を引いて、待たせていたタクシーに乗り込んだ。
火野が運転手に指示を出し、タクシーが動き始めた。
「あ、あの……パーティーって何を……」
「二人きりの出所&クリスマスパーティーだぜ。フフフ、とにかく黙って俺に付き合え」
タクシーは数分も経たずして、<ホテル・ラブ&スノー>というネオン看板を掲げた建物の
地下駐車場へと入っていった。
(ラブホテル……そんな、またこの男にひどいことをされる……)
タクシーが目指す場所を知ってノノは絶望と恐怖に沈んだ。
2年の禁欲生活を経て、男が少女と二人きりで密室に入れば、必然的に何が起こるかは
目に見えている。それも、よりによってクリスマス・イブである。

ガクガクと震えるノノを見て、火野の嗜虐心はどんどん膨らんでいく。
「さぁ、着いたぞ。朝まで徹夜でパーティーだ」
タクシーのトランクから大きなボストンバッグを取り出して火野は不気味に微笑むのだった。
ノノの聖夜は、これから始まろうとしていた。

<完>





■The PARTY
(いま何時?時間の感覚がつかめない……)
ノノはホテルの壁にかけられた時計をみて、改めて夕方であることに気がついた。
(そうだ、今日はクリスマスイブ……17歳の誕生日だったんだ……)
元コーチの火野に犯され、汚され、卑しめられたあの日から2年の月日が流れたが
状況は何も変わっていなかったことをノノは痛感していた。
火野に脅され、半ば強引にラブホテルに連れ込まれたのは昼前だったが、
部屋に入るなり<出所祝い>と称して、火野はノノをむさぼる様に犯した。
麻縄で縛られ、犬のように首輪をつながれて交わるさまは、まるで犬の交尾のようだった。
ノノは避妊を懇願したが、火野はラブホテル備え付けのコンドームを一切使おうとせず
2年分の鬱憤と欲情をノノの体内に何度も放出していた。

ノノが火野との性行為を余儀なくされているのは、<野々宮悠太>の正体が<野々宮ノノ>
という少女であるという事実を知っていることと、ノノに掘り込んだ刺青を除去することを
火野が約束しているということが大きい。
特に身体に刻まれた刺青を消さないと、ノノの将来は無いも同然だった。
ノノは、火野の求めるままに身体を許さざるを得なかったが、ことあるごとに火野に
刺青の処理を懇請していた。
「もう許して……約束どおり刺青を消してください。お願いします……」
「約束?あぁ、中和液のことか?まだ夕方だぜ。朝までには消してやるよ」
何か含みのあるような不気味な笑顔を見せる火野にノノは不安を感じたが、今は火野の
言うとおりにするしかなかった。



「ふぅ、出た出た。お前も久しぶりのハメ撮り楽しいだろ?」
火野の言葉通り、ベッドの周囲には火野が持ち込んだ3台のカメラが設置されていた。
刑務所での2年間、火野は妄想を募らせ、出所後に準備万端整えてから計画を実行した。
火野が所持するボストンバッグには撮影機器のみならず、性具やSM用具が収められていた。
ベッドの上に散乱する無数のバイブや拘束具がノノに悲鳴や嬌声、哀願をもたらした。
「二年間もご無沙汰だっただけあって、オモチャも随分悦んでくれるな。みろよこのバイブ」
火野はノノの秘唇に埋没し、蠢いている漆黒のバイブを引き抜き、ノノに見せ付ける。
見たくも無いものだったが、黒いバイブはノノが分泌した蜜液で濡れ、妖しく滑り光っていた。
火野の言葉通り、ノノの身体は正直に反応していた。特に火野のねちっこい愛撫や
執拗なディープキスに疼きを抑えることができなかった。

「さて、マンコに種付けは一旦終わりにして、今度はケツマンコで遊ぶか」
ボストンバッグから浣腸器やアナルプラグを取り出す火野を見て、ノノは青ざめた。
「ひっ……浣腸はいや。お尻は許してください」
「今日のためにグリセリンも用意したんだ。2年ぶりの腸内洗浄だ。たっぷりヒリ出せよ」
火野が取り出したのは、巨大なビン入りのグリセリン溶液だった。
「手始めに1000ccほど入れてやるよ。15分我慢できたら許してやる」
浣腸の恐ろしさをノノは2年前の夜に味わっている。15分の我慢がどれほどの苦痛
をもたらすかは想像できた。
「む、無理です……そんなにたくさんは」
ノノの哀願は無視され、火野は浣腸器に満たしたグリセリンを容赦なく注入していく。
「あ、あ、あぁぁっ」
冷たい浣腸液が腸内に注がれる感覚に、ノノは悲鳴を上げる。
「野々宮の気が散らないように、目隠しをしてやろう」
火野はそう言うと、アイマスクをノノに装着し視界を奪った。
目隠しされたことで、ノノは壁にかけられた時計を見ることができなくなり、またもや
火野の思うがままに排泄をコントロールされてしまった。



■BLIND GAME
「いやっ、目隠しは……」
「遠慮すんなって。これもスキージャンパーとしてのメンタルトレーニングだ」
元コーチとしての台詞のつもりなのか、火野は意味不明なことをいいながら
さらなる責め苦をノノに施そうとしていた。
「マンコのほうも綺麗にしてやろう」
轣?野はチューブ入りのクリームを指にすくって、柔襞にまぶしはじめた。
「なに?ひぃっ…やめて」
目が見えない状態で、陰部にクリームを塗りこめられる恐怖でノノは悲鳴をあげた。
「気にするな。ちょっと痒いかもしれんが、これも訓練だ」
火野が塗布したものは、催淫クリームの一種で、粘膜に猛烈な掻痒感をもたらすものだった。
その効果はすぐに現れ、ノノは膣内を襲うむず痒さに腰をくねらせ始めた。
「ひ、火野さん……あ、アソコが痒いんです。止めてください」
「我慢しろ。まだ5分しか経ってないぞ」
この時点で、時計の針はすでに10分を経過していたが、盲目状態のノノは火野の言葉を
信じるしかなかった。
「も、もう無理です。もう出そうなんです!」
「しょうがないな、やっぱりお前には栓が必要なんだな」
火野はアナルプラグを手に取ると、たっぷりと催淫クリームをまぶした上で
ノノのアヌスへと押し込んでしまった。
「ひぃっ!!栓はやめてぇっ。いやぁっ」
「さぁ、頑張って我慢しろ。忍耐こそがジャンパーの要だぞ」
ノノを思い通りにいたぶる快感に酔いしれる火野にとって、少女の悲鳴は甘露だった。

掻痒剤を塗り込めたバルーン式のアナルプラグを装着させられてしまったノノは
もはや火野の玩具と化していた。
浣腸を施してから、すでに20分近くが経過している。約束の時間から5分以上オーバー
しているが、それを告げずにノノが苦しむ様子を火野は楽しんでいた。
「ひ、いぃぃっ。かゆいんです。もう…もうゆるしてぇっ!!」
前後の穴に塗りこめられた掻痒クリームの効果で、ノノの懊悩と快感は頂点に達していた。
その上に、腸内を暴れるグリセリン剤がノノの交感神経を刺激し続けている。
胡坐縛りで転がされたノノの腰振りダンスは、ノノのむず痒さを表すバロメーターの
ようだった。極限まで腰を上下左右に揺さぶって表現しているノノの苦しみと快感をみて
火野は2年の獄中生活を忘れて狂喜していた。
「野々宮。もう少しだけ我慢する気があるなら刺青を処理してやってもいいぞ」
「えっ?」
火野の思わぬ申し出に、ノノは驚いたが、浣腸の苦しさとクリームの痒さも限界だった。
「さ、先にトイレに行かせて……」
「じゃあ、しばらく刺青はそのままだな。それでもいいのか?」
ノノの身体に彫られている刺青は2年前のものだが、火野が言う<しばらく>が
また2年後にならないとも限らない。火野の申し出を断るのは危険だった。
「そんな……わ、わかりました。我慢します。でも早くお願い……します」
浣腸の苦しみに悩んだ末だったが、ノノは刺青を消したい一心でそう答えた。



■THE TATOO
「フフフ。じゃあケツの刺青からやってやるよ」
(こいつ、マジでこれが消せると思っているようだな……馬鹿な娘だ)
口を一文字に結んで、恐怖と痒みに堪えているノノをみて、火野は内心でせせら笑った。
火野は<中和液>ではなく、タトゥーマシンにピンク色の色素瓶をセットした。
<中和液>を使わないのには訳があった。
火野が二年前にノノに施したタトゥーは、ごく普通の刺青であり、色素を中和する
ことなど最初からできないモノだったのだ。つまり、<中和液>は無いのだ。
二年前にノノに遺したビデオメッセージは、ノノを手中に収めておくための手段であり
<中和液>などという代物は、あの時点で考えたハッタリであった。

このままマシンを使ってノノの肌に触れれば、ピンクの刺青が新たに彫られることになる。
だが、目をふさがれたノノは、何をされてもわからない状態で火野のなすがままだった。
「チクチクするが、あんまり動くなよ。痒いのとクソを我慢すれば消えるんだからな」
「は、はい……お、おねがいしま……ひぃっ」
火野はノノの<牝犬>と彫られた尻たぶに、さらにピンクの色素で紋様を追加していく。
(女の肌を刻む気分は最高だな。今回は……そうだな、ハートでもいれてやるか……)
<牝><犬>の文字の周囲に、ショッキングピンクのハートの線画を追加していくのは
火野にとって至上の快感だった。
「ひっ、いっ…うぅぅ」
(フフフ、こいつ必死で我慢してるな。いい感じに彫りあがってきたぜ)
ノノは目隠しをされている上に、前回彫られたときは意識が無かったので、火野が
刺青を追加している事実を知覚することはできなかった。
ノノが思うのは、とにかく早く終わって欲しい。2年前の白い肌を取り戻したい。
その一心だった。
「ケツは終わったぞ。次は腹だな」
胡坐縛りのノノをベッドで仰向きに転がすと、下腹部に彫られた<中古>の文字が
目に入ってきた。
(さて、こっちはどうするか……)
やや悩んだあとで、火野はマシンに黒の色素をセットすると、<中古>の文字の下に
新たに文字を追加していく。
「あぅっ…」
下腹部に刺青針が刺される感覚で、ノノは呻いたが、やはり拒絶するわけでなく
じっと我慢して耐えている。
(もうすぐ見せてやるからな。俺の傑作をな……)



■COMING OUT
「終わりだ、野々宮。お前の根性も大したもんだな。綺麗になったぞ」
火野の施術を終えるのを待っていたノノは、その言葉を聞いて、堰を切ったように
懇願を始めた。
「お願いします。もう我慢できません。お腹が痛いんです」
ガクガクと身体を震わせて悶絶する哀れな少女の姿態は、普段の野々宮"悠太"からは
想像できない。
「フフフ。よく我慢したな。グリセリンをケツ穴に入れてから30分ちかく経ってるしな」
「すぐにトイレに連れて行ってやろう」
このラブホテルの部屋のバスルームは、壁や天井まで全面ミラー仕上げになっていた。
火野は撮影のため、バスルームにカメラも三脚ごと運びこんだ。
鏡に映った姿も録画できて好都合なバスルームだった。
火野はノノを胡坐縛りのまま抱え上げると、バスルームに運び込んだ。
「うぅっ、もうダメっ。早くお尻のモノを抜いてください」
目隠しをされているノノは、トイレに運ばれたと思って、火野への哀願を強めていた。
「その前に、目隠しをとってやろう」
「あっ……」
唐突に目隠しを取られたノノは、蛍光灯のまぶしさに目が眩んでしまった。
明るさに目が慣れたときに、ノノの視界に入ったのは、鏡に映った自分の裸身だった。
麻縄のロープで縛られ、バスルームのタイルに転がされている姿は惨めで残酷だったが
それ以上に、ノノに衝撃を与えたのは、下腹部の状態だった。
「え?えっ?なにが……」
火野が『消す』と宣言していた2年前に彫られた<中古>という下腹部の刺青文字が
そのまま残っているのだ。
いや、それだけではない。<中古>の文字の下部…ちょうど陰毛の上部ぐらいの位置に
<肉便器>という大きい文字が追加されていた。
「にく……べんき……」
あまりの出来事に無意識に口走ったノノは、鏡に映った火野の邪悪な笑顔を見て
初めて事態を把握できた。
「うそ……消してない……それに、また刺青をいれたの?いやぁぁぁっ!!」
「フフフ。最高の出来だろ?お前は単なる中古女じゃなくて肉便器なんだよ
そこら辺をはっきりさせておこうと思ってな。それにケツのほうも見ろよ」
火野はノノの身体を持ち上げ、ノノの臀部が鏡に映るようにした。
そこにあったのは<牝犬>という刺青の周囲に彫られたハートマークである。
ノノが必死で浣腸と掻痒クリームの苦しみに堪えたのは、刺青を消すという火野の
約束を信じたからだったが、その結果得られたのは、無残に追加された<肉便器>と
いう刺青文字と、鮮やかなピンク色のハートの刺青紋様だったのだ。



「約束が……約束がちがいます!中和液で消すって……」
「あぁん?中和液だって?」
猛烈な抗議をするノノをいなすように、火野はとぼけた口調で返答をはじめた。
「お前、2年前のあのハメ撮りビデオのことを言ってるのか?」
「………」
「あんなの嘘に決まってるだろ。刺青に中和もくそもあるかよ。あれは俺の
創作だって。デタラメ。ハッタリ。お前本当に信じてたんだな。ハハハ」
嘲笑する火野を見て、ノノはようやく火野の本性を思い出した。
「そんな……じゃあ、この刺青は……」
「もう一生消えねえよ。お前の肌は俺だけのモノだ。誰にも見せねえし触れさせねぇ」
腸内を荒れ狂う浣腸液や、前後の穴で猛威を振るう痒さも忘れてノノは呆然とした。
「嘘でしょ……ねぇ……冗談でしょ……」
「野々宮。お前のその顔が見たかったんだよ。2年間我慢した甲斐があったぜ」
2年前に仕掛けた嘘をノノに暴露した火野は、征服感に酔っていた。
「タトゥー鑑賞もいいが、そろそろケツの栓を抜くぞ。盛大にヒリだしてみせろ」
火野がアナル栓を緩めることで、呆けるノノは現実世界に引き戻された。
直腸を塞いでいた、バルーンプラグから空気が抜ける音がバスルームに響く。
「あっあっ…ひっひぃっ!!」
大量の排泄物を放出するときの開放感と快感が、嬌声となって現れる。
ハートの刺青を追加されたノノの桃尻から、茶褐色の濁流が噴流となって
バスルームのタイルを染め上げていく。
「肉便器からクソが出てくるとはな。傑作だぜ」
火野の嘲笑がバスルームに響き渡り、ノノの悲鳴とハーモニーを奏でた。



■HOLY NIGHT
「やっぱりお前のクソは臭いな。便秘はスポーツ選手の敵だぞ。ハハハ」
火野はノノが噴出した大量の下痢便を揶揄しながら、この2年間の集大成として
最後の仕上げに取り掛かることにした。
「じっとしてろよ。クリスマスプレゼントをくれてやるからな」
ノノに対して、火野はタトゥーマシンを見せつけた。
排泄の快感と、刺青のショックで、どこか精神のタガがはずれたノノは
少し呆けていたが、お構いなしに火野はノノの純白の乳房にマシンの先端をあてがった。
「お前の名前を銘記しておくからな。いくぜ……ヒ・ノ・ノ・ノ……っと」
野々宮ノノの右の乳房には<ヒノ>、左の乳房には<ノノ>という刺青の銘が
入れられていく。
<中古><肉便器><牝犬><ヒノノノ>。無数の刺青を入れられた少女を
バスルームに設置されたカメラが静かに記録している。
この映像が、後に世間を賑わすことになるのだが、今のノノには知る由もなかった。

「今日から野々宮悠太でも野々宮ノノでもない。お前は<ヒノノノ>だ」
「ヒノノノ………」
満足げな火野の笑顔と、生気の消えた目で自分の姿が写った鏡を見つめるノノ。
中古肉便器・ヒノノノの新たな人生の幕が開いた瞬間だった。
「ちょっと元気がなくなったな。それではいかんぞ。今のお前にぴったりな
クスリをやろう。ちょっとハイになれるいいクスリだぞ。フフフ」
意味ありげな笑みを浮かべる火野は、ムショ仲間から手に入れた<クスリ>を
ノノに見せびらかして満悦している。
「朝までパーティーは続くんだからな。いい声で啼いてくれよ」
まだまだ、火野は<パーティー>を終わらせるつもりはないようだった。

人知れずラブホテルの一室で二人きりのクリスマスの夜は続くのだった。

<了>

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